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海外情報クリップ ピルや黄体ホルモンの使用とうつ

子宮内膜症がある場合

 ピルや黄体ホルモン剤は子宮内膜症の治療に広く用いられていますが、一方これらの薬を使用すると気分が不安定になる、あるいはうつの症状が出るなどで性生活の質が低下すると訴える女性がいます。イタリア、ミラノ大学臨床医学・公衆衛生学部門の研究者らは、内膜症を持つ女性に限ってこれらの薬が性生活にどの程度影響するのか検討するため、内膜症と診断された患者をピルまたは黄体ホルモン剤で治療された群と、プラセボまたは無治療/鎮痛薬だけ使用した群を比較した研究報告をレビューしました。検討された文献は、前向きコホート研究(イタリア2件、)、無作為化比較試験(中国2件、日本1件、イラン1件)、後方視コホート研究(米国1件)の計7件です。その結果、米国の研究を除く6件で無治療群に比べて治療群の性機能指数(FSFI)や性的苦痛尺度(FSDS)の悪化、気分不安定、性交痛の悪化、などは報告されませんでした。イタリアの2件ではFSFIとFSDSは有意に改善し、イタリア2件、中国2件、イラン1件合わせて5件で性交痛の有意な改善が示されていました。一方、米国の後ろ向き研究ではうつや気分変調が報告され、全体の約3割が服薬を中止していました。
 FDAはピルによるうつ症状は使用開始から6か月の間に起こることが多いとしていますが、今回のレビューでは、開始後6か月間に精神的有害症状による服薬中止が報告されたのは米国の研究だけでした。世界13か国約2万人のピル使用者を長期追跡した報告では(De Corte、2025)、内膜症のある場合のうつは全体の1.5%、無い場合は0.7%です。研究者らは、内膜症のある女性で精神症状のリスクが疑われる場合は早い段階で確認しておくと対処しやすく、逆に性交痛の緩和は性生活に良い影響をもたらすのでピルの使用は積極的に勧めるべきだと述べています。

参考:Salmeri N, et al. Acta Obstet Gynecol Scand. 2026;105

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