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HPVワクチンの接種時の性教育と性行動

フィンランドの研究から

 HPVワクチンを接種した女性は、その後の安心感から、リスクのある性行動(望まない妊娠や性感染症のリスク)に陥りやすいのかあるいはそうではないのか。フィンランドのタンペレ大学産婦人科の研究グループは、“望まない妊娠による中絶”の件数をリスクのある性行動の指標と設定し、ワクチンの接種あり/なしで比較しました。HPVワクチンの有効性安全性評価のための臨床試験(2007~)に参加した約6,200人(1992~93年生まれ)を、ワクチンを接種していない約1万9千人(1990~91年生まれ、同一居住区民)を対照として、試験開始年から2020年までの約12年間(~28歳まで)追跡しました。
 中絶の報告件数は、フィンランド中絶施行レジストリー(同国では疾病や医療の登録が完備している)より入手しました。その結果、接種した女性全体の中絶は1万人・年あたり145.6、接種していない女性は161.4でした。15~19歳層でみると接種群は33.7、非接種群は41.4などと接種群の方が中絶割合は低いという結果でした。
 ただし17歳未満の年齢層では接種群7.4、非接種群8.4と有意差はなく、妊娠率は両群ともに約5%でした。全体で見るとワクチン接種群の中絶の割合は非接種群に比べて有意に低くなっていました。
 なお、この研究ではワクチンを接種した女性は試験看護師から問診を受けています。これと同時に、避妊法と性感染症予防のカウンセリングが行われました。思春期女性のための性教育スライドキットがあらかじめ用意されており、看護師はそれで指導する訓練を受けています。HPVワクチンの接種は、リスクのある性行為を助長させる要因にはならないこと、HPVワクチンの接種で受診する機会は、思春期性教育を提供するよい機会になること、などが今回の研究から示されました。
参考:Taavela K et al., Preventative Medicine 202 (2026)

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