はたがや日和~JFPA相談室へようこそ~【871号】
思春期・FP相談LINE/避妊のためのピル&アフターピル相談室 相談員 幸﨑 若菜
助産師としてのキャリアの大半を一次医療機関の産婦人科小児科病院で過ごし、フルタイム勤務の合間で時間を見つけて細く長く相談員としてFPホットラインに携わってきました。
性教育が進まない日本で、次期学習指導要領の改訂の議論が行われている中でも「歯止め規定」は継続される見通しという報道を受けて、「がっかり」を通り越して「憤り」すら感じながらも、一方で学校の中では思うように性教育を進めることができなくもて、地域の医療機関で、また専門職として、子ども・若者に正しい情報を伝える機会を作ればいいのだとも考えるようになりました。そのためにも子ども・若者が安心して過ごせる場であり、正しい情報にアクセスでき、SOSを受け止められる場所をつくりたいと思い、2年前の春に当時の勤務先で子ども・若者のための街の保健室の機能も持たせたユースクリニックを設置することができました。
JFPAでは、電話からLINEへと移行し、5年が経過しましたが、徐々に相談の件数は減っています。その要因には、Chat GPTなどの生成AIの利用によって問題が解決できている子どもたちもいるのだと推測します。そんな時代でも、LINE相談に相談してくれた若者に対して、相談員として正しい情報を届けるだけでなく、「相談できたことを認めること」「また困ったことがあれば相談していいこと」「LINE相談での限界もあり、ぜひリアルでつながれる医療機関を見つけてほしいこと」なども伝えています。
スマホやPCの中で困り事が解決できる若者も増えた半面、デマや間違った情報・古い情報も溢れており、その膨大な情報の中から何が正しい情報かを見極める力も必要になってきています。さらにはSNSやアプリの使い方によっては、犯罪に巻き込まれてしまう若者も増え、加害者として検挙される若者も増えており、社会の変化や若者のトレンドに大人や教育が全く追い付いていないと感じています。そのため、子ども若者への性教育の機会の提供だけでは、彼らの健康と権利を守ることができないと痛感し、彼らを支える保護者・支援者への支援もユースクリニックの活動の柱に据えました。保護者・支援者も性教育を受ける機会がなかったこともあり、何を子どもに伝えていいのか分からず、大人も学び、アップデートする機会を提供しましたし、支援者同士のつながりの中で若者を支える必要があると考え、教育や交流の場の機能も持てるようにしました。
私が取り組んできた街の保健室の取り組みは、もともと北欧のユースクリニックを参考にしたものであり、機会あるごとに「ユースクリニックいいですよ!」と発言してきたものの、実際に何がどういいのかをこの目で見てきたい!と思い、昨秋、ユースクリニック発祥の地、スウェーデンとデンマーク・オランダの若者支援について学ぶツアーに参加することができました。そこでの学びがあまりにも大きく、自分のこれからのキャリアについて考え、組織を離れる決断をし、現在はフリーランスになり、包括的性教育の導入・ユースクリニックの拡充・家族丸ごと支援の浸透を目指して、日々手探りながらも充実した日々を過ごしています。自分の信念を貫き他国の取り組みから学び、助産師である自分に何ができるかを考えて、今後もSRHRの普及・浸透、子どもの権利の定着を目指して、奮闘していくことが、きっと相談にも役立つと信じています。
