はたがや日和~JFPA相談室へようこそ~ 【868号】
思春期・FP相談LINE/避妊のためのピル&アフターピル相談室 相談員 千田 陽子
JFPAの相談員はそれぞれの仕事を持ちながら、当番制で担当しています。私は地域で赤ちゃん訪問事業に関わり、子育て中の家庭に訪問をして子育ての悩みや様々な相談をお聞きしています。近年、男性の育児休業の取得も多く、育児は女性がするものという性役割が薄れ、育児が共同作業になっていることを実感し、ご両親それぞれから熱心に育児相談をされることが日常になりました。しかし、思春期LINE相談となると、相談は母親から入ります。
母親からの印象に残っている相談が2件あります。
「中学3年生の娘がネット購入した大人の玩具を、たんすの引き出しに入っているのを見つけたが、夫には相談できずひとり悩んでいる」とのこと。心配は①中学生から器具を使用して快感を得ることで将来の弊害が心配②製品の安全やデリケート部分の炎症が心配③心配している事を娘に伝えたい。製品の写真や取扱説明書まで添付され相談がありました。
自慰することそのものは問題が無いこと。強い刺激で快感を得ることに弊害が無いとは言えない。商品自体の安全性は判断することはできない。本人の了承なく引き出しを開けたことは、プライベートを尊重してないので話題に出しにくい。自慰はプライベートな行為なので良し悪しを判断していくのは本人。正しい知識を持たせたいなら、性に関する本をプレゼントし、親子で感想を話し合ってはどうかと提案し書籍やサイトを紹介しました。その後もやり取りが繰り返され、娘の言動や行動の愚痴が多く聞かれましたが次第に落ち着きを取り戻し、焦らずに子どもに寄り添うことを自己完結できました。
もう1つは、高校3年生。「娘からアフターピルを飲みたいと相談された。相手の名前は内緒。パパには内緒と頼まれ病院に連れて行ったが、受験前なのに仮病で学校をサボり、流れで性行為を持った娘への、強い怒りと落胆がある」と打ち明けてきました。「社会的、経済的に自立してなくて、責任が取れないうちは、親に言えない行為はやめてほしい。アフターピルを決めて相談してきたのは賢明な判断と思う。相手が誰かは聞かない。誰にも内緒にしたいことはあるから。でも今回の事、私は悲しい」と母親は言いたいことはしっかり伝えていましたが、行動に対するやり場のない怒りや不満は伝えられず、相談員に気持ちをぶつけてきました。相談できる親子関係は素晴らしいこと、娘さんが受診を自己決定できたこと、娘を責め過ぎず、自分の気持ちをiメッセージしたことを評価していくうちに落ち着きを取り戻しました。「パパには内緒」と言われたために、問題を一人で抱えることになった母親の重圧はいかばかりかと推察します。いずれのケースも、直接娘さんの力にはなっていませんが、母親の気持ちを受け止めることで、間接的にお役に立てたように思います。
同性だからかな? とも思いましたが、事例を振り返りますと、男性の悩みも父親からの相談は皆無でした。相談時間を問わないLINEですので、仕事の有る無しなどは影響しないのですが、まだまだ子育ての中心は母親という性役割が色濃く残っている親世代なのかもしれません。
きっと私が今訪問している、赤ちゃんたちが思春期の悩みを抱えるころには、相談者に偏りがなくなるかもしれません。どなたからの相談であっても解決に向け、的確な情報がお伝えできるよう研鑽を積んで参ります。安心して相談していただきたいと思います。
