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ニュース・トピックス

[本会創立70周年に寄せて]
4月18日 本会は記念すべき70年目を迎えた
本会会長 北村邦夫

第841号

 日本家族計画普及会(現在の日本家族計画協会。以下「本会」)の創立日は昭和29年(1954年)4月18日である。この日はまた、平成14年(2002年)に解散した日本家族計画連盟の発足大会が東京・虎の門にある共済会館(当時)で行われた日でもあった。
 國井長次郎(以下「國井」)ら本会の草創期に名を連ねていた面々が、花冷えの雨が降る会場の入口で、機関紙「家族計画」(1982年に現在の「家族と健康」に改題)第1号を参会者たちに配ったとある。新しい運動の開始という夢と希望に燃えていた彼らは、意気軒昂で雨に濡れながら配り続けた。リーダーの國井は、この日をもって「本会の創立日とする」と宣言したのだ。
 あれから70年。よくもまあこれほど長い間続けてこられたものだ。今流行のCHAT GPTに、「70年間続く企業はどれくらいある」と尋ねると、真偽は定かではないが、「米国の統計によれば、新しく設立された企業のうち約半数は5年以内に閉鎖され、10年後にはそのうちのさらに多くが閉鎖されている」との回答が。もちろん例外はあるようで、「特に、家族経営の中小企業や伝統的な大手企業、または一部の業界では、70年以上存続している企業が見られる。これらの企業は、強固な経営戦略、市場への適応能力、長期的な視野、そして時には新しい技術やビジネスモデルへの柔軟性を持っている」と返された。
 筆者についていえば、昭和63年(1988年)に本会に就職してから既に36年が経過している。70年目を迎えることができたのは、本会を取り巻く多くの関係者の温かい支援があったことは言うまでもないが、CHAT GPTの回答にあるように、わが国における家族計画運動を推し進めるためには経済的に自分の足で立つという経営理念に本会が徹してきたことが大きいと考えている。
 その一方で、今を任されているわれわれが、創立当初國井ら先人たちが抱いていた夢の実現にどれほど貢献できているか疑問と不安に襲われることが少なくない。これを「時代の流れだから仕方ない」と一刀両断していいとは思わない。温故知新という言葉があるが、この機会に改めて、國井が「家族計画」第1号に寄せている「本会の現在と将来」のテーマで書かれた記事を噛みしめてみよう。

機関紙「家族計画」第1号
(画像をクリックするとご覧いただけます。
「本会の現在と未来」は4面に掲載)

 本会はこの新聞を以て誕生する。これが出立の呱々(ここ)の声である。こんな小さな刊行物をだすまででも苦労をした。(中略)どんな小さな事であれ、出発には苦労するものである。なぜそんな苦しんでまで敢えてやるのか、と自分でも思う。しかしやはり、われわれがより幸福になれるとわかつたものには勇気をだして、やるべきだと思う。(後略)
(1954年4月20日発行、機関紙「家族計画」第1号4面より。原文ママ)

 本会を常日頃ご支援いただいている皆さまには、原点ともいえる國井の熱き思いと照らして本会の現在が道を逸脱していないか否か、常に叱咤激励を賜ることができれば幸いである。



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