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ニュース・トピックス

第26回松本賞 宮城悦子氏に授与
産婦人科腫瘍学の発展と、子宮頸がん予防で多大な功績

第817号

横浜市立大学医学部産婦人科主任教授・産婦人科医師 宮城 悦子氏
横浜市立大学医学部産婦人科主任教授・産婦人科医師 宮城 悦子氏

 わが国におけるリプロダクティブ・ヘルスの分野において活躍している第一人者に対し、その功績をたたえて贈呈する「松本賞」。その第26回選考委員会が3月23日にオンラインで開催された。
 当日は、選考委員ならびに過去の受賞者から推薦された候補者の功績調書をもとに、厳正な審査の結果、横浜市立大学医学部産婦人科主任教授・産婦人科医師の宮城悦子氏(59歳)の受賞が決まった。

子宮頸がんの予防に尽力

  専門は産婦人科腫瘍学であるが、長年にわたって子宮頸(けい)がん予防に関する学術活動と啓発活動を行ってきた。中でも、日本におけるヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン普及活動に2010年頃より積極的に取り組んできた。特筆すべきこととして、13年6月からの厚生労働省によるHPVワクチンの積極的接種勧奨の差し控えと同時期に、日本産科婦人科学会の検診とHPVワクチンによる子宮頸がん予防の特任理事に就任した。その後は、22年4月のHPVワクチン接種勧奨差し控えの中止、25歳までのキャッチアップ無料接種決定に至るまで、一貫して国内外の情報収集や社会医学研究、一般市民向けの啓発活動に従事し、アカデミアと行政関係者、政治関係者、メディア関係者との良好な関係構築に奔走し、現在に至るまで子宮頸がん予防活動を継続している。

新しい卵巣がん腫瘍マーカーにつながる研究

 また、05年に大学院博士課程の研究の中で発見した卵巣明細胞がんでの産生が特徴的なTFPI2(Tissue Factor Pathway Inhibitor-2)は、その後産学連携研究へと発展し、臨床性能試験結果により21年4月から新しい卵巣がん腫瘍マーカーとして保険収載に至り、多くの患者がその恩恵を受けることができるようになった。
 以上、同氏の優れた研究業績と幅広い学識、社会貢献、特に専門分野である婦人科腫瘍学の発展と、子宮頸がん予防に費やした甚大な努力とその功績は高く評価される。


受賞者プロフィール

みやぎ・えつこ
1988年横浜市立大学医学部を卒業後、同大産婦人科医員、95年同助手、97~98年に米カリフォルニア大学サンディエゴ校への派遣教員としてスクリップス研究所に出向。基礎研究に従事した。帰国後は横浜市立大学産婦人科助手、神奈川県立がんセンター婦人科医長を経て、2000年同大産婦人科講師、06年同准教授、14年同大がん総合医科学教授、17年より産婦人科主任教授に就任している。

*松本賞は、本会・故松本清一元会長の名を冠した顕彰制度で、わが国のリプロダクティブ・ヘルス分野における第一人者に、その功績を讃えて本会が贈呈するものである。
 選考委員は、木下勝之(日本産婦人科医会)、小西郁生(日本産科婦人科学会)、吉村泰典(日本生殖医学会)、若槻明彦(日本女性医学学会)、石井澄江(ジョイセフ)、北村邦夫(本会)(敬称略)。


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