はたがや日和

はたがや日和~JFPA相談室へようこそ~【861号】

思春期・FP相談LINE/避妊のためのピル&アフターピル相談室 相談員 小野 文子

 戦後80年を迎え、私たちの生活は大きく様変わりしました。そして思春期世代の生活、コミュニケーションの在り方、ひいては考え方の変化さえも、昭和生まれの私はもとより、我が家の平成一桁生まれ、現在30代の娘ですらも追い付けていないと口にしています。
 さて、17歳高校2年生の女性からの相談。「避妊に失敗した可能性がありアフターピルが欲しいと思っているが、すぐに受診できる状態ではないしアフターピルを買うお金もない。次の生理まで待って来なかったら妊娠検査薬を買って検査をするつもり。妊娠初期症状にあたる症状もある。検査をして、もし妊娠しているという結果になったら、2人から双方の親に話そうという結果になった。これは覚悟と合意の上で決めたこと」との内容でした。
 「妊娠すると困る状況で何らかの方法で避妊をしたこと」「うまく避妊できなかったと思われるのでアフターピルを飲むという対処方法があることを知っていること」「自分の思う予定月経になって月経が来なかったら妊娠検査薬で検査してみようと考えていること」「妊娠していたら自身の親とパートナーの親に2人で話そうと状況に応じてその際の対処方法を考えていること」「一連の状況をパートナーと2人で相談し、話し合って決めたこと」など、避妊についてのある程度の知識を持ち、自分たちのこととして受け止めていることは伝わってきます。
 しかし、避妊に失敗した可能性がありアフターピルが欲しいと思っているがすぐには受診できないとのことから推察すると、彼女が避妊できなかったかもと心配している状況は、それほど日にちが経過していないと思われるにもかかわらず「妊娠初期症状に当たる症状もある」と矛盾する話から、月経や妊娠に関する正しい知識を持っているとは思えません。
 いつ避妊に失敗したと思う行為があったのか、どのような方法で、失敗した可能性があると思ったのはなぜなのか、最終月経はいつだったのか、月経周期や性行為の頻度、妊娠初期症状に当たる症状とはどのようなことでいつからあるのか、「覚悟」とはどのような覚悟なのかなど、分からないことばかりです。聞きたいことはいろいろありますが、こちらから情報提供するために必要な最低限の情報を返信で問いましたが、既読にはなったものの返事は来ませんでした。相談というより、気持ちの整理をするためにLINEを利用したのかもしれません。
 ただ、相談を受けた側からすると、時間的にまだ可能なら緊急避妊薬を処方してもらうためにできることはないのか、このまま様子を見るというが、いつどのような方法で妊娠を確認するか、今後の避妊についてなどを、身近にいる信頼できる人を頼って相談することも大事ではないかということなど、伝えたいことがたくさんあります。
 電話、時に外来で「おせっかいおばちゃん」になって、あれこれ話ができたことを思うと、いくばくかのストレスを感じる令和の相談室です。送られてきた文面から相談者が本当に相談したいことは何なのか、伝えたいことの優先順位を考えながら、自分たちに求められていること、その限界を踏まえつつ自分たちにできることを、いつも考えずにはいられません。

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