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一般社団法人 日本家族計画協会

機関紙

<47>学校との連携を大切にして オオタクリニック(大阪府和泉市)太田尚司

2014年02月 公開
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大田氏  

学校との連携を大切にして

 

 

オオタクリニック(大阪府和泉市) 大田 尚司

 

性教育の必要性
 1960年に米国でピルが初めて承認され、1964年には日本でも月経不順などの治療薬としてピルが登場しましたが、この1964年に、私は産婦人科の医師として歩き始めました。現在でも、「避妊のほかにも、さまざまな副効用を持つピルを活用し、健康な生活を送ってほしい」と話をしても、ピルを拒否する若い女性の方が時々見受けられます。偏見をなくして、女性のQOLを高めるものとして、ピルを捉えてほしいと希望します。

 診察でも、▽夏休みに中学1年生女子3人が男性に呼び出されて性交▽14歳での出産2例▽男性の車内で強姦され骨盤腹膜炎になり入院▽中学3年生女子が後腟円蓋外部に性交裂傷で入院―などの事例があり、性教育、緊急避妊の必要性をしみじみと感じています。
 

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産婦人科医の性教育
 2003年に文部科学省より学校保健に産婦人科医が関与するようにとの方針が出され、これを機会に大阪産婦人科医会会員の有志が集まり、小学校高学年、中学生、高校生向けに講演用スライドを作成しました。
 

 2004年には、学校・地域保健連携推進事業の「性感染症予防のための講習会」として、希望する高校に産婦人科の専門医を派遣し、講習会を開催することが決まりました。翌2005年からは、大阪産婦人科医会の母子保健部性教育委員が中心となり、希望する高校の生徒に性感染症の講演を行うようになりました。
 

 2013年10月、第42回全国学校保健・学校医大会in静岡の開催に当たり、大阪産婦人科医会の5年間(2005~2010年)の活動状況を整理してみました(表1)。有志の先生方にお願いして、1年間に約1万人の生徒に性に関する講演をしたことになります。大阪府全体では中高生の数は合計48・5万人で、全ての生徒に性教育を、となると今後何らかの方策を講じる必要性があります。2011年度からは、文科省の予算は生徒に対する講演ではなく、教員や保護者に対する講演の予算として付くようになりました。
 

 しかしこのような講演の機会に恵まれた結果、産婦人科の医師と学校との間に連携ができました。これを喜ばしく大切に思い、現在も教育委員会の要請を快く受けております。
 

正しい性の知識が不足
 私は性教育講演で、性感染症の予防、望まない妊娠を避けるための避妊、健康な体と心を持ち続けるための行動のあり方、人が生きていることの素晴らしさを話しています。特に避妊にはピル、性感染症予防にはコンドーム、コンドームでも予防できない性感染症として、性器ヘルペス感染症、梅毒があることを強調しています。

 
 中高生、教職員や保護者の方々に講演をして感じることは、▽生徒たちは性に関する言葉は知っているが、その内容を十分理解しておらず、不確かな知識の下での行動が多い▽教職員、保護者は性感染症の現状を全く知らない―ということです。

 大阪府のある高校で「正しい性の知識を持っていると思うか」を調べてもらったところ(図1)、「はい」と答えたのは男子36%、女子19%で、男子49%、女子75%は「分からない」と答えました。
 

 性に関する講演は、病気を診ている産婦人科の医師が直接生徒の皆さんに話をすれば、インパクトは強いと思います。今後も頼まれた講演、来院する患者さんに、誠心誠意接してまいります。若い皆さんに明るい未来が開けますように!


【略歴】
1937年生まれ。1963年大阪医科大学医学部卒業。1964年大阪医科大学産婦人科教室入局。1968年大阪医科大学医学部大学院(産婦人科)卒業、医学博士授与。1970年清和病院(和泉市)院長。2003年オオタクリニック(産婦人科、内科、小児科)院長、現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、日本産婦人科医会法制部会委員、大阪府医師会学校保健常任委員性感染症委員、大阪府教育委員会「大阪府学校・地域保健連携推進協議会」委員、近大堺病院非常勤講師、前大阪産婦人科医会性教育委員、2012年日本家族計画協会会長表彰、2013年厚生労働大臣表彰

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