天馬空 ~JFPA職員のリレーエッセー~
天馬空 ~JFPA職員のリレーエッセー~
第825号

 厚生労働省は昭和42年より毎年、卓越した技能者を「現代の名工」として表彰してきている。今年は、11月11日に150名が発表された。これは、技能の世界で活躍する職人や技能を志す若者に目標を示し、技能者の地位と技術水準の向上と優れた技能の継承を目的としている。
 今回表彰された一人に、私が生まれ育った東京都足立区に本社屋を置くランドセル製造販売「土屋鞄製造所」創業者、土屋國男氏が選ばれた。土屋氏は「小学校の6年間、子どもが成長する中で連れ添う大事なもの。まじめに作ってきたことが評価され良かった」とコメントを残している(11/12読売新聞より)。ランドセルの語源は、オランダ語の「背負い鞄(ransel/ランセル)」からきているといわれている。明治20年、伊藤博文が、当時皇太子であった後の大正天皇の小学校入学祝いとして、箱型ランドセルを献上したことが世間に広く認知されるきっかけとなったことは有名な話である。小生が小学生の当時は、黒色または赤色と決まっていたが、今では、紺、青、紫、ピンクなど、カラフルでおしゃれに変化してきている。これも時代の流れであろうか。
 ここでランドセルの利点を一緒に考えてみよう。①たくさん収納できる。②身体にフィットすることで、体感重量が軽く感じる。③背負うことで両手がフリーになる。④雨が降っても中身が濡れにくい。など、利点は少なくない。しかし、一番の利点は、次だと考える。それは、後ろに倒れた時に衝撃を吸収してくれる上に、頭部を守ってくれる。まさにランドセルが子どもを守ってくれるのである。
 ランドセルは、日本独自の文化である。一方で不要論もあると聞いているが、今なお、時代と共に進化を続けている。優れた技能をいつまでも後世に継承してもらいたい。 (鈴木隆雄)



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