天馬空 ~JFPA職員のリレーエッセー~
天馬空 ~JFPA職員のリレーエッセー~
第809号

 橋本聖子大会組織委員会会長がスピーチで述べた「日本へようこそ。ようこそ、東京へ」。7月23日、東京オリンピック開会式である。
 1年の延期、無観客による開催と、異例ずくめの式典。その中には、目標を見失いそうになりながらも努力を続ける選手たちの苦悩が表現されていた。自身の実力の維持だけでなく、ひとたび政情不安、紛争、災害などに見舞われれば参加は危ぶまれる。加えてのコロナ禍。いつにも増して、平和と健康の尊さが強く問い掛けられた大会となったのではないだろうか。
 今回、205の国と地域が参加している。それぞれに厳しい状況を乗り越えてきているはずの選手たちは、みな笑顔で入場した。
 感染対策が徹底され、全ての選手と関係者が安全に競技に専念できることを祈るばかりである。私も、自宅で観戦したい。
 そういえば、選手入場には日本が世界に誇るゲーム音楽を起用したという。最初の曲に選ばれたドラゴンクエストの一つに、主人公に向けたこんなセリフがある。
 「勇者とは 最後までけっしてあきらめない者のことです」――数々の困難や逆境にくじけず、希望に変えてきた勇者たちの姿が、各国選手の笑顔に重なる。最高峰のスポーツを通じて、世界中に希望を与えてほしいと、切に願う。


 日ごろ平和と健康を守ってくださっている医療従事者の皆さまに敬意と感謝を表します。
 暑い日が続きますので、皆さまにおかれましてもどうかご自愛くださいませ。 (佐藤佳宏)



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