Facebook Twitter LINE
海外情報クリップ

【海外情報クリップ】
ライフコースにわたる避妊法―米国

第842号

米国ユタ州の調査から
 女性のリプロダクティブ・ライフはおよそ35年、この長い期間にさまざまな出来事があり、避妊するべき時期とそうでない時期があります。いつどのような避妊法を選ぶべきか、ユタ大学産婦人科の研究者らは、実使用者の経験をもとに意思決定の軌跡を調査しました。
 HERソルトレイク避妊促進計画(費用障壁などを除くことで高効果避妊法を推進するコミュニティー政策)から約30人の若年女性にインタビューを行い、これまでに使用した避妊法の開始や中止のきっかけなどを聞き取りました。実例を挙げると、メアリー(25歳)は男性用コンドームを使用していたが、ハイスクールの時に避妊に失敗して中絶を経験、それから注射薬を始めてから現在はピルを使用中。エル(24歳)は男性用コンドームに頼っていましたが、あるとき「避妊してる?」と聞かれて「うん」と答えてしまい、翌日緊急避妊薬であるプランBを飲みました。この繰り返しが続いたあと親密な人と付き合い始め、飲み忘れのないIUDを開始、今はインプラント(皮下埋没法)を使っています。
 研究者らによると、避妊の意思決定に影響する要因はおおむね5つの領域に分類できるとしています。

①自身の身体的状態(年齢、慢性病の有無、体質など)
②自身の信念や宗教観、避妊に対する羞恥心やこだわり
③パートナーとの関係や、親や友人からの助言など
④その時の居住環境や職種・収入
⑤避妊の経験(使用した避妊法の経験はもとより、大きな出来事、例えば妊娠からの出産や中絶、あるいはパートナーから受けた虐待・強制など)

 個人のおかれた状況からその時に最適な避妊法の選択、あるいは避妊しない選択をすることが大事です。リプロダクティブ・ライフの進行とともに避妊法の選択は当事者にとっての“旅”“遍歴”である(コントラセプティブ・ジャーニー)と研究者らは表現し、今回得られた知見を今後の避妊カウンセリングに生かしたいと述べました。

参考 Simmons RG, et al. Reproductive Health. 2023.20;33

(翻訳・編集=オブジン)



JFPA無料メルマガ登録をお願いいたします!

前の記事へ 次の記事へ

今月のページ

季節号・特集号

連載・コラム

バックナンバー