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第818号

 思春期・FP相談LINE 相談員 本村 弥恵子

 GWでホッと一息、新緑がまぶしい季節を迎えました。伸びていく緑に元気をもらって日々の相談に向かう気持ちを新たにしています。
 一方で年齢や立場にとらわれ過ぎて、気付かないうちに自分の気持ちや身近な大切な人の気持ちを後回しにしたり、なおざりにしてしまうことが起きてしまうとしたら、それはとても残念で心配なことだと思います。
 20代後半の女性から受けた相談です。
「自分は月経痛が酷くて、ここ数年低用量ピルを服用しているが、これまで恋愛経験はなく避妊が必要になるようなお付き合いもしたことがない。身近な友人の恋話(こいばな)や生理が来なくて焦った、なんていう話は耳にするが、同じことが自分自身の身に起きることは想像すらできません。これっておかしいんでしょうか」
 ピルを服用することで月経血量が減り、月経痛も軽くなって仕事を休むこともなくなり、月経周期の管理もできて快適に過ごせているとのこと。ご自身の健康管理の一つとしてピル服用を選択できていることを支持しつつお話を進めていくと、
「ちょっと前までは気にならなかったんですが、最近は友だちの恋愛の話を聞くのも億劫になってしまいました」と。
 恋愛や性行為をするかしないかは、自分の気持ちを一番大事にしていいし、そうして欲しいとお伝えすると、「そうですよね。少し安心しました。今のところ避妊は必要ないけれど、自分のためにピルは飲み続けようと思います」と明るい声が返ってきました。
 短い相談の中で性の自己決定権についてじっくり取り上げて話せる機会はなかなかありませんが、自分らしさや身体と心を守る上で、土台となる重要な考え方の一つではないかと感じています。妊娠・出産には生物学的に年齢による制限があるという事実は変えられませんが、恋愛や結婚に時間制限はなく、こうでなくてはならないという思い込みに左右されず自分がどうしたいのか、何を大事にしたいのか、といった自分の気持ちを大切にしていいんだということに一人でも多くの方に気付いてもらえるよう、機会を見つけて伝えていきたいと思っています。
 最後にある絵本の中のモグラさんの言葉を紹介します。
「いちばんの時間のむだって、なんだとおもう?」
 ぼくがたずねると、モグラがこたえる。
「じぶんをだれかとくらべることだね」(『ぼく モグラ キツネ 馬』チャーリー・マッケンジーより)


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