市谷クリニックへようこそ!
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第805号

 思春期・FPホットライン相談員 黒田真知子

 昨年度実施されたSDGsをテーマとした「指導者のための避妊と性感染症予防セミナー」を聴講させていただいた中で、OC(経口避妊薬)/LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬製)は女性のQOLを向上させる生活改善薬であるという話がありました。
 確実な避妊ができること、月経困難症でつらい思いをしないことなど、生涯を通しての女性の健康支援やQOLの改善を助けるためにはOC/LEPは必須アイテムで、女性活躍を推奨するためにグローバル・ジェンダー・ギャップ指数が上位になるには、OCの普及が不可欠であり、その逆も真となることを学びました。
 思春期・FPホットラインの相談でもそれを実感することがあります。女性からの相談の上位は①緊急避妊②妊娠不安③ピルの相談―で、妊娠に関する内容となっています。男性はというと①包茎②自慰③性器―と自分のことに目が向いています。性交は二人で行うものでありながら、妊娠は女性が引き受け、不安を募らせていることに着目せねばなりません。
 先日20代女性から昨夜避妊なしで性交を行ってしまった。腟内に射精はないと思うが、不安になり調べたら緊急避妊があることを知り、どんなものかを知りたいと相談がありました。
 腟外射精では確実な避妊にならないので、現在妊娠を望んでいないなら緊急避妊が必要な状況であること、国で認めた薬を飲む方法で、72時間以内のタイムリミットがあること、あくまで緊急事態に対応するもので日常的に繰り返し行うものではないこと、さらにコンドームを使用していないことから性感染症に関しても心配があることを伝え、今後不安な思いを繰り返さないよう受診の際にこれからの避妊を含め相談するよう促しました。女性からは「そうですか」と小さな声で返答がありました。このやりとりをする間、そもそも性交したかったのか、避妊をどう考えていたのか、この先どうしたいのか、彼女の意志は伝わってきませんでした。
 一方で、OC服用中の女性から、「スケジュールに合わせ次回の生理日をずらしたいから方法を教えて欲しい」、「何か月までなら生理を起こさずにいてもいいのか」といった問い合わせがあり、避妊と副効用を手に入れ快適な日々を過ごしていらっしゃる方がいることも実感しています。
 2016年に本会が実施した第8回男女の生活意識に関する調査によると日本のOC使用率は4・2%と、女性の活躍がみられる諸外国に比べるとまだまだ低値です。  OC/LEPの普及を妨げるものには①知識不足②経済力不足③決定力不足―があげられています。  知識さえあれば苦しまなかった女性を一人でも減らし、全ての女性が自分らしく生きていけるように、これからも思春期保健相談士として、一人の女性として、学び伝え続けていきたいと思います。

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