◉横光:オランダ・ハーグで開催されたカイロ会議プラス5において、わが国のピルに関してどのような状況であったか?
○赤阪清隆説明官(外務省総合外交政策局国際社会協力部審議官):ご質問のわが国のピルにかかわる問題につきましては、私ども、会議に出席しました限りにおいては、この問題が取り上げられたとは承知しておりません。ただ、私どもがこの会議に関しまして記者ブリーフィングを行いました際に、記者の方から日本における審議の概要についてご質問がございました。私どもは、十分な情報を当時持っておりませんでしたので、現地では、この問題については本国で審議がさらに続いていると答えた次第でございます。
◉横光:国際的な要請として、日本がピルの使用さえ認めていないことは問題だという意見があったわけですが、特に、ODA予算によって途上国のエイズ並びに人口問題への援助が行われているとのことですが、これは事実ですか。
○赤阪説明員:人口、エイズに関しましては、1994年の段階で日本が、特に新たなイニシアチブを設けまして、GII(人口・エイズに関する地球規模問題イニシアチブ)というものを進めております。7年間で総額30億ドルをめどにしておりまして、既に24億ドルを使っておりますが、この中でピルがODAの対象になるかということにつきましては、このピルの問題につきましては、我が国で審議が進められているところでございますので、目下のところは供与の対象とはしておりません。
◉横光:30億ドル、膨大な資金援助がされている中で、このエイズ並びに人口問題対策として、向こうではそれを使用したいけれども日本では未承認のために使用されないという現実があるということですね。インドネシアの一例をちょっと紹介してくれますか。
○赤阪説明員:インドネシアにおきましては、我が国は無償技術協力プロジェクトを実施しておりますが、この一環としてピルの要請が出された経緯がございます。1998年の秋の段階でございますけれども、去年10月の段階でインドネシアの方から経口ピルの要請書がセットをした経緯がございますが、これにつきましても、先ほど申しましたように、我が国におきます審議の状況から援助の供与対象とすることを見合わせた経緯がございます。
◉横光:今の例のように、せっかく日本がGIIという、人口あるいはエイズ対策に大変な資金援助をしていながら、それを実際に使う場合、それが効果的に使われていない一つの事例だと思うんですね。こういった現状であるということも、大臣、どうか御認識いただきたいと思うわけです。