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ピル承認秘話

ピル承認秘話
–わが国のピル承認がこれほど遅れた本当の理由(わけ)–
<第11話>ピル承認に向け各界から賛否の声(その1―学識経験者)

第779号
ピル承認秘話
一般社団法人日本家族計画協会 会長
北村 邦夫

 本会機関紙「家族計画」(現「家族と健康」)では、1964年9月5日、経口避妊薬(ピル)について、主な産婦人科医・学術経験者に対して往復葉書を送付。9月20日現在、学識経験者43通、商業誌「産婦人科の世界」同人24通、日本母性保護医協会(現「日本産婦人科医会」)会員15通、その他の医学関係者10通、回答保留など11通から返信があった。結果、賛成13、反対50、条件付賛成30など。以下、学識経験者の意見を紹介したい。

*大石武一(自民党代議士) 妊娠調節を希望する人々には、出来るだけ簡単な方法がよろしい。但し厚生省では副作用のないものを許可しなければならない。
*鈴木茂三郎(社会党代議士) 結婚後、適当な時期に、適当の数の子どもを産むという家族計画が難しいということがあろうかと思いますが、人体に障害を及ぼさないようクスリに対する検査など、十分な対策をとって許可すべきである。
*山浦貫一(政治評論家) 中絶万能の害毒を征伐する手段となり、当分の間、本薬の成績をみること。
*石川達三(作家) 人口問題の解決は緊急の課題です。特に危険のないものであるのなら、多少の道徳的弊害には眼をつぶって、安く民衆に普及せしめなくてはならぬと思っています。
*徳川夢声(評論家) 客観的に見て、確かに避妊が適当だと認められる向きに対し。
*原健三郎(自民党代議士) 医学者、専門家の「安全」が立証された際はよろしい。
*ドクトル・チエコ(医学評論家) 女性のメンスが正しい女性ホルモン分泌によってめぐってくるのが健康のしるし。人工的に黄体ホルモン分泌だけ大量に与え、正常な生理作用を変化させる(しかも長期間)方法は、医者として女として反対です。そればかりではなく、ホルモンの多量の利用は、将来の健康へのマイナスは必至と考えております。
*大倉興司(東京医科歯科大学) 現在の段階では安全性に対して完全な検討が行われておらず、サリドマイドの二の舞にならないと決していえない。たとえ白人では安全でも日本人でも安全だとはいえない。
*村岡花子(評論家) この種のものは悪用される方がずっと多いですから、反対します。

〈産婦人科医 こぞって慎重論 賛成僅か3人〉
① 使用方法が簡便であること。費用比較的僅少ですむこと。②現在の所、副作用が認められないこと―などを理由に、藤生太郎(山口大学教授)、植田安雄(神戸医大教授)、久慈直太朗(日本女子医大学長)らが賛成の意見を寄せている。
(次号に続く)



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