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ニュース・トピックス

梅毒半年で5千人超 昨年の1.7倍ペース―国立感染症研究所

第821号

 1999年から感染症法によって五類感染症として全数報告が義務づけられている梅毒。国立感染症研究所が2022年7月15日に公表した速報によると、22年第26週(6月27日〜7月3日)時点での梅毒の累計患者数は5,615人に上り、過去最多を記録した昨年の同時期(3,298人)と比較すると、約1.7倍のペースで増加している。
 これについて北村邦夫本会会長(産婦人科医)は、「この数値はあくまでも氷山の一角であり、実際の患者数はこれを遥かに超えている可能性がある」とし、「従来、梅毒患者の増加は男性間の性的接触が最大要因であると考えられていたが、最近では、異性間での拡大が目立っている。このような増加の原因については、口腔性交や肛門性交など性行動の多様化だけでなく、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)などの普及によって、簡単に見ず知らずの男性と出会い、アルバイト感覚でカジュアルなセックスが行われ感染を拡大させているのではないかと分析する専門家もいる。特に新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、自粛生活を余儀なくされる中、SNSが一層大きな役割を果たしている。女性の貧困などもそれに拍車をかけているといえる」と述べ、「早期梅毒は1回の筋肉注射(持続性ペニシリン製剤「ステルイズ水性懸濁筋注」)、後期梅毒でも週1回、合計3回の筋肉注射で治療が完了する。梅毒の急増は看過できないが、早期発見、治療が可能であることなど科学的・具体的な情報を積極的に提供していく必要がある」としている。


関連サイト
【国立感染症研究所】感染症発生動向調査(IDWR)



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