機関紙

【第678号】 平成22年9月1日発行(2010年)

2010年09月 公開
9月号の目次
編集帖
緊急避妊法の適正使用に関する指針

・健やか親子21全国大会(母子保健家族計画全国大会)に向けて

・乳幼児体操のすすめ

思春期への防煙サポート
・EBMで解き明かす「子宮頸がん予防とHPVワクチン」Q&A
職域保健の現場から<7>
避妊教育ネットワークトークリレー<6>いなべ総合病院産婦人科部長 川村真奈美
 

 

 

 編集帖

 

▼厚生労働省の発表によると、平成21年度に児童相談所が対応した児童虐待の相談件数は4万4210件で前年より1546件増え、過去最多を更新した。統計を取り始めた平成2年度から19年間で40倍を超えた。社会的な関心の高まりによる軽微な事例報告もあるが、深刻な虐待事例が増えている。

 

▼育児に疲れ、誰にも頼れず孤立し、虐待してしまう若い親の事件が後を絶たない。特に「虐待死」の事例に至っては20代前半の親の犯行が増えている。その背景の一つとして、「望まない妊娠」が31・3%(厚労省「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について」第6次報告)と想像以上に多い。

▼未成熟なまま妊娠、出産する若い母親。若者たちはなぜ「望まない妊娠」をしてしまうのか。その原因を平成19年度に本会の北村所長が分担研究を担当した「全国的実態調査に基づいた人工妊娠中絶の減少に向けた包括的研究」(主任研究者武谷雄二東京大学教授)では、次のように分析している。「先進国を中心とした10代の若者の望まない妊娠、出産、中絶が低下傾向にある国々では、10代の若者が利用しやすい、公的または公的制度の支援下で民間サービスが存在し、また学校、教師を通した若者へのアプローチや避妊教育を含めた学校教育課程で、総合的な性教育が実施されている」。

▼一方、日本はどうだろうか。乳幼児に触れ合う環境が少ない子どもたち。確実な避妊法の知識を持てない若者たち。「望まない妊娠」を減らすことは「虐待死」の減少につながることが明らかな以上、家庭、学校、地域、メディアなどが一体となって、性教育、避妊教育の取り組み、「望まない妊娠」防止の対策を進めていかなければなるまい。 (TS)

 

 

 緊急避妊法の適正使用に関する方針

 

作成に向け日産婦学会で委員会設置へ
 
本会も要望書提出
 
「緊急避妊法の適正使用に関するガイドライン」の作成を求め、本会では7月27日、北村邦夫家族計画研究センター所長名で、8月2日には、武谷雄二東京大学医学部産科婦人科学教室教授からも日本産科婦人科学会の吉村泰典理事長宛て要望書が提出された。

 

 

   
   
 これを受け、8月12日、日産婦学会から、ガイドラインとしてではなく適正使用に関する指針を可及的速やかに作成する準備に入る旨、書面で回答があった。日産婦学会では、同会「女性ヘルスケア委員会」の堂地勉委員長(鹿児島大学教授)を中心に6人前後の委員による委員会を設置し、指針作成の検討に入る。

 

▽緊急避妊ピルは申請中
 わが国では緊急避妊ピルの使用が公に承認されていないため、既存のホルモン剤が医師の判断と責任により転用され続けてきた。世界保健機関(WHO)が推奨するとともに、わが国で実施した臨床試験の結果からも安全性と有効性が認められたレボノルゲストレル(LNG)単剤による緊急避妊ピルは、昨年9月30日、㈱そーせいが国に承認を申請し、一日も早い承認が待たれている。
 本会クリニックでは長年にわたり、従来からのエストロゲンとプロゲストーゲンの配合剤を用いた「ヤツペ法」と、「医師個人使用」の目的で厚生労働省関東信越厚生局薬事監視員の承認を得て入手したLNG単剤を用いた「LNG法」の使用経験を重ねてきたが、両者を比較するとLNG法の安全性は明らかである(表1)。

▽リプロ・ヘルスに寄与
 平成18年度から「犯罪被害者に対する医療支援事業」がスタートし、最近では全国47都道府県で性犯罪被害者に対して緊急避妊法が無料で提供されているが、より安全で有効なLNG法の使用が今こそ求められている。
 現在のところ、緊急避妊ピルの未承認国は、チリ、ペルー、北朝鮮など国連加盟国中わずか数か国となっている。わが国でも「緊急避妊法の適正使用に関する指針」が示され、緊急避妊ピル承認に向けての環境が整うとともに、女性のリプロダクティブ・ヘルスの向上への寄与が期待される。本会では、引き続きアドボカシー活動を展開していく。
 

 
 

 

 「気づき」を促し禁煙サポート

 

 
講演 思春期への防煙サポート (第8回思春期保健相談士学術研究大会より)

「気づき」を促し禁煙をサポート

講師 リセット禁煙研究会・予防医療研究所代表 磯村  毅(いそむら たけし)

   
   

 6月5日、東京・新宿区の日本青年館ホテルで開催された第8回思春期保健相談士学術研究大会(大会長=荒堀憲二・市立伊東市民病院院長、主催=本会、後援=厚生労働省・文部科学省他)より、今号では磯村毅氏の講演の概要を紹介する。思春期保健の課題の一つである喫煙の問題について、思春期の心理的側面に即した支援のあり方が示された。

体の依存より心理的な依存

 今まで禁煙するためには、ガム、パッチ、ニコチンを含むもので禁断症状を紛らわせていましたが、現在は、ニコチンを含まない飲み薬を使った方法ができました。6~7割の人はこれで禁煙ができます。
 しかし、こういう形で禁煙を始めても、この後、吸ってしまう人が多いのです。1年たつと、2割ぐらいしか禁煙が続いていない。高校生、大学生、吸い始めて間もない人でも、実はやめられないんです。薬に依存することになってしまうので、ずっとその薬を飲み続けるわけにもいきません。 
 長い間禁煙していたのにまた吸ってしまうというのは、体の依存が原因ではありません。例えば、1年間全くたばこを吸っていなければ、体の中からニコチンは抜けています。ということは、ニコチンが切れてきたから吸いたくなったぞ、ということは起きていません。体の依存というより、気持ちの問題があると考えるのが自然だろうと思います。
 実は、再喫煙を防ぐという話と、そもそもたばこを吸い始めないという話は重なっています。禁煙外来では、禁煙を始めてもその半分は再喫煙する。妊婦さんは8割の方が禁煙しますが、子どもの1歳半健診のころにはまた吸っている人が多い。虐待家庭ですと、ほとんどの人がたばこを吸っています。アルコールや経済的な困窮は、実はたばことの関連が強いということが分かってきています。

   
 表1 加濃式社会的ニコチン依存度調査票(KTSND)  

 今、吸っていない人がどんな心理状態にあるのかをみる指標があります。「加濃式社会的ニコチン依存度調査票」(KTSND、表1)というものです。禁煙支援のとき、あるいは禁煙した妊婦さんの中でどういう人が再喫煙しそうか調べるときは、これを用いるといいと思います。
 吸っていない人の心理状態は、もともと吸わない人に非常に共通する部分があります。非喫煙者も含めて、たばこに対する考え方に誤解があるのです。
 KTSNDにどういう質問項目があるかというと、「たばこを吸うこと自体が病気である」、「たばこには文化がある」、「嗜好品である」「たばこにはストレスを解消する作用がある」などです。吸ったことがある人もない人も、ある程度は「そうかも」と思われるでしょう。
 恋人が喫煙者だと、この得点が喫煙者によく似た得点になります。喫煙者の考え方に影響されて、喫煙に対する意識が変わり、実際に吸っていくという、吸う以前の段階、あるいは禁煙した後の段階の心の状態がこの指標で評価できます。

依存症に発展する「思い込み」

 では、そもそもたばこを吸わないためにはどうしたらよいのか。これには、依存症に共通する心のトリックがあります。例えば、酒を飲むと眠くなるという方はどのくらいいるでしょうか。お酒をどんどん飲ませたら、急性アルコール中毒で意識がなくなり、最後は眠って、死んでしまいます。ですので、「酒で眠りやすくなる」のはある意味正しいです。
 しかし、普通、「眠りやすい」というのは、意識がなくなるという意味ではなく、疲れが取れたり、次の日パチッと目が覚めて元気が出たりするのを、普通は眠りやすいといいます。
 そういう観点で言うと、実はアルコールというのは、睡眠を障害することが分かっています。酒を飲んで無理に寝ると、レム睡眠、ノンレム睡眠という睡眠のリズムが狂うので、次の夜、眠りにくくなるのです。
 「酒を飲んで寝ようか」というのはどういうときかというと、例えば、何か嫌なことがあったときです。酒を飲んで寝て、次の日、また眠れない。本人はまさか前の晩の酒で眠りにくくなっていると思えないので、「昨日嫌なことあったばっかりだし」と思う。そしてまた飲む。けれど、そのまた次の日はますます眠れなくなってしまう。だけど本人は、また眠れないから、また飲もうかとなってしまう。本人は気が付いていないので、逆にますます酒を飲んで寝ようとして、「酒がないと眠れない」と言い出すかもしれません。依存症になりつつあるのが分かると思います。
 酒がないと嫌なことばかり思い浮かんでも、酒を飲むと、「まあ、どうでもいいか」と眠れてしまう。こうなると、最初は、「酒がないと眠れない」と言っていた人も、昼間に、「嫌だな」という考えが堂々めぐりしたときに、「酒でも飲むか」となるかもしれない。そうすると、昼間も飲むようになる。
 このように、結構簡単な思い違いでも、深刻な心の病に発展していく可能性があります。アルコールの話を出したのは、比較的分かりやすいからです。実はたばこにも、これとよく似た思い込みがいろいろあります。

日常の癒しを失う「失楽園仮説」

 人間の脳には癒し、安らぎを感じるドーパミンという物質がありますが、その分泌が増すと癒しや安らぎを感じ、やる気が出ます。ニコチンは、このドーパミンを強制的に分泌することができますが、ここで問題が起こるのです。
 生まれて初めてたばこを1本吸ったときは、決して気持ちがいいわけではありません。それは強制的な刺激だからです。それでたばこを吸った子どもたちは油断してしまう。「先輩といるときぐらい付き合うか」などと言って煙をふかしている。ところが繰り返し吸っていると、強制的な刺激でドーパミン神経は弱っていきます。
 神経には、本来なら自らドーパミンを出す力があるのに、強制的な刺激でドーパミンを無理やり出すのを繰り返すうちに、その働きをだんだんさぼるようになる。これを専門的には「代償性感受性低下」といいます。ですので、結果として喫煙者は、非喫煙者よりもドーパミンの反応が弱い。
 こういう変化が起きた段階でたばこを吸うとどうなるかというと、たばこの味が分かる瞬間がくるわけです。「あっ、これがたばこの味か」、「落ち着くってこれか」と、本人は大人に仲間入りしたような気持ちになるかもしれません。するとこの後、たばこを吸い始めた子どもの行動が激変します。
 たばこの味が分かると、それまでは先輩と一緒のときだけだったのが、自分で買いに行くようになります。するとますます吸い続け、ますます神経が弱っていく。ここから起こる大切な変化の一つは、たばこの本数が増えるということ。これはあらゆる薬物、ゲーム、ギャンブルなどに共通します。
 もう一つ変化があります。科学的には証明されていないので、仮説としか言いようがありませんが、ドーパミン神経は、もともとは癒しや安らぎを得る神経でしたよね。この神経が弱ったということは、日常生活の癒しや安らぎが減るのではないかということです。これを「失楽園仮説」と呼んでいます。
 なぜ「失楽園仮説」というのかというと、薬物などに手を出してしまったために、日常の幸せという楽園を失ってしまった状態なのです。この仮説を使うと、喫煙者は「自分はこうなっていたんだ」と分かるので、禁煙計画をサポートするのに非常に役立ちます。訳も分からず「頑張れ」と言われるより、ある程度理屈が分かってくると頑張りは続きます。

起床時と食後に吸う理由

 ニコチンの身体的依存の指標の一番重要な質問が、「朝起きて何分でたばこを吸いますか」。朝起きて5分以内にたばこを吸うと、それだけで3点付くんです。
 ほとんどの喫煙者は朝起きて5分、10分、30分ぐらいでたばこを吸います。なぜなら夜中寝ている間はたばこが吸えないからです。朝起きると、ニコチンが例外なく切れています。だから、肩が凝った、体がだるい、頭が重い。それでたばこを吸ってシャキッとするんです。
 たばこを吸わない人は、朝起きたときどうでしょう。毎日、365日さわやかとは言いませんが、朝気持ちいいときもあるでしょう。ということは、たばこを吸う人は、さわやかな朝がなくなってしまったということです。それが失楽園状態の一つの例です。
 それから、「食後に吸いたくなる人が多い」という問題はどうでしょう。例えば、「おーい、今日は大漁だぞ、飯だ」。「わーい、飯だ、飯だ」。こんなときドーパミンがわあっと出るわけです。ところが喫煙者は、このときドーパミンは出にくいはずです。どんなにおいしいものをお腹いっぱい食べても、締めの1本が欲しくなってしまう。たばこを吸ってやっと、「ああ、うまかった」ということになるわけです。
 そもそも喫煙者は、1箱20本入ったたばこが、あと2、3本になっただけで不安になるんです。だから、もう一つ考えてほしいのは、たばこなしでも平気そうな人を見て、喫煙者はどう考えると思いますか? ちょっとオーバーかもしれませんが、自信をなくすかもしれません。

依存症は「二重洗脳」状態

 実際のところ、吸わない人はどうして平気なのでしょう。皆さんは喫煙者に比べて特別に強い人? あるいは何かうまいストレス解消の方法を知っている? 思い当たる人もいるかもしれませんが、そんなことない人がほとんどではないでしょうか。
 では、どこが違うかというと、脳が元気だということです。脳がちゃんとドーパミンなどを出す力を持っている。しょっちゅうニコチンづけになって弱っていないので、ちゃんとドーパミンやアルファ波なども出るということだと思います。
 軽く目を閉じて深呼吸するだけで、ちゃんとドーパミンやアルファ波は出て、少し落ち着きます。だけど、喫煙者になると、少しぐらい深呼吸しても、ドーパミンの出が悪いわけです。結局吸わないと元気が出ないという状態になっています。
 「食後の1本はうまい」というのは、本当の幸せがなくなっていたということです。「元気づけに1本」というのも、実は自分の力では元気が出なかっただけの話です。「酒のおかげで眠れる」と言っていたら、それは思い込みです。
 依存症というのは「二重洗脳」状態です。二重洗脳状態というのは、たばこのおかげで元気が出るという期待の部分と、たばこをなくしちゃうと、もうやっていけないという恐怖があります。喫煙者は、禁煙は成功したいが、本当に禁煙したらやっていけるのかを真面目に考えていますから。
 こういったことに周囲の人たちは気が付いていないので、依存をやめられないのは反省が足りない、意思が弱い、不誠実だ、愛情がない、もともと自尊心が低いとか、場合によっては成育歴の問題だというところにまで話がいってしまいます。
 明治時代の日本人の男性は8割たばこを吸っていたんです。8割も吸っていたということは、基本的にはニコチンを入れれば、強制的に脳が変化してしまうということなんだと思います。
 昔は、たばこを吸いたい人が口寂しくなるのは、「お母さんのおっぱいが恋しいから」といった話がありましたが、もし、その説が正しいとしたら、たばこを吸い始める直前、18~19歳のころは、さぞかし口寂しかったはずです。ですが、そんな人はむしろ例外で、ほとんどの人はいつから口寂しくなったかと言えば、喫煙者になった後です。
 ということは、それ自体が中毒の症状で、ニコチンが切れたときの症状がその人にとっては寂しい、手持ち無沙汰だということです。

たばこでストレスは解消する?

 問題なのは、ニコチン切れのストレスは、ほかのストレスと区別が非常につきにくいということです。だから、「私はたばこでストレスを解消している」と言い出す人が出てきます。
 これは見方を変えると、たばこが解消してくれる唯一のストレスもあるということです。それはニコチン由来のストレスです。あらゆるストレスにたばこが効くというのは、皆さんの普通の考え方です。しかし事実は、たばこはニコチン切れに効いただけだったということです。
 たばこを吸わない人は、それで納得できますが、吸っている人は結構しぶといですからね。「たばこによって解消できるストレスは、ニコチン切れによるストレスだけです」と言っても、たばこをやめないです。「でもね、先生の言っていることも分かるけど、吸ったときは落ち着くから」などと言います。そのとき本当にドーパミンは出ているので、そういう気持ちはよく分かります。
 ただ、大事なことを見落としています。それは何かと言うと、もともと吸っていなければ、イライラや寂しさや手持ち無沙汰自体、感じることはなかったのではないかということです。

本人の「気づき」が不可欠

 思春期の事例としてある高校生を示します。「子どものころ、親のたばこが嫌いだった。けむたいし、不快に思っていた。中学1年のとき、友達と2人で一緒に買った。それから1か月後、友達にもらった。やっぱりおいしくなかったが、3月ごろに先輩に買ってもらって、吸えるようになったこともあって、それからは1日2、3本吸っていた」。なんとなく脳がちょっと弱ってきていますよね。
 だけど、彼はここで立ち直るんです。「中学3年後半、たばこをやっていることは意味がないことに思えて、部活もやりたいからやめた。高校2年の初めまで吸っていなかった。ところが高校2年のときに親が離婚し、ストレスやイライラがたまって何となく吸った。今は毎朝起きたときや、晩ご飯の後に吸うようになってしまった」。
 これはとても同情すべきところもあります。親が離婚をすれば、どんな子どもだってストレスがたまります。そこで、「たばこはあらゆるストレスに効く」という誤解が出てくるわけです。この子はたばこでしたけど、酒を飲んでいたかもしれません。
 われわれとしては、この子がたばこをやめようとしたときに、「たばこは体に悪い」という話だけではなく、たばことストレスとの関係についても教えることができていたら、違った結果になっていたかもしれません。
われわれは喫煙者に対して、どうしても「たばこは体に悪い」という話ばかりしてしまいます。吸ったことない人に何が分かるんだ、うまくいった人の話でしょう、お説教だよねとなってしまう。だから、本人が自分なりに、「あっ、おれ勘違いしていたな」と気づかないと、なかなかうまくいかない。

質問で気づきを促す

 気づきというのは、実は忘れないかぎり消えないんです。だから、たばこについて何か誤解が解けたとすれば、それは気分の善しあしと関係なく、気づいたんだということを言いたいわけです。
 それで、そういう気づきを促すのが質問なんです。それからもう一つ、ある種の気づきを与えることで、直ちに禁煙が起きなかったとしても、必ずどこかで芽が出てくると思います。
 禁煙すると合格率が上がるというデータだけでは、喫煙者は禁煙してくれません。「おれの場合はイライラしちゃうから駄目だよ」となります。だから、何かうまく質問を作って、気づきが起こるような工夫をしなければなりません。例えばこんな質問はどうでしょうか。
 たばこを吸わないA君は70点、たばこを吸っているB君も70点、今はラインは同じですね。これから伸びる潜在力があるのはどちらだと思いますか? これは、引っ掛けなんです。引っ掛かってくれたほうがうれしいんですけど。気づきがあるほうが。
 この人たちのドーパミンなどの状態を考えてください。吸っていないA君はドーパミンなどはちゃんと出ていますよね。集中力があるはずなのに、70点しか取れない。B君はニコチンが切れているのに70点取れる。ということは、潜在的な力は当然B君のほうがある。こういう話をします。
 禁煙指導をする人は、まず喫煙者を理解することが前提で、こういった気づきを促すメッセージを使うことが、禁煙の手掛かりになるのではないでしょうか。
(文責・編集部)

▽講師略歴△
 医学博士、メディカルコーチ。名古屋大学大学院卒。トヨタ記念病院禁煙外来、トヨタ自動車診療所に医師として勤務する傍ら、リセット禁煙研究会・予防医学研究所代表、子どもをタバコから守る会・愛知世話人を務める。専門は呼吸器内科学、依存症心理学、メディカルコーチング。名古屋大学非常勤講師(依存症とメディカルコーチング)。藤田保健衛生大学精神科客員講師。日本呼吸器学会認定専門医。
▽参考文献△
『リセット禁煙のすすめ』(磯村毅著、東京六法出版)、『二重洗脳―依存症の謎を解く』(磯村毅著、東洋経済新報社)

 
 
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