機関紙

【第689号】 平成23年8月1日発行(2011年)

2011年08月 公開
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編集帖    
HPV4価ワクチン「ガーダシル」承認
・超少子化の流れを変える「ワーク・ライフ・バランス」 
・ハートブレイクの活動~児童養護施設でのセクシュアリティ支援を中心に~ 黒瀬 清隆

・乳幼児揺さぶられ症候群について 国立成育医療研究センター研究所 藤原 男

・乳幼児の食事と栄養<2> おやつ・間食・補食 こどもの城小児保健部 太田百合子

ジョイセフが東日本大震災で被災された産婦に対する義援金(ケショ)を支給
避妊教育ネットワークトークリレー<17>宮崎クリニック(静岡県富士市)副院長 宮崎千恵子

 

 編集帖

 

▼外国人のための「生活便利帳」(B6判)をある県の国際交流協会からいただいた。日本在住外国人に発行している冊子で、日本で生活するための情報が日本語とポルトガル語で紹介されている。内容は労働、結婚・離婚、出産・育児、教育、医療、年金、緊急・災害時の対応や税金など多くの情報が記載されていて、日本人にも便利で参考になる冊子である。県国際交流協会によると自治体国際化協会では13言語の生活情報を提供しているそうだ。

▼外国人労働者を雇用する企業が増えるにつれて、市区町村から外国人への行政情報提供サービスのニーズが高まっているが、行政から在住外国人に提供できる母子保健情報を掲載した冊子はあまりにも少ない。異文化、多文化を尊重するわが国にあって、この分野は遅れているといわざるを得ない。

▼こんな状況にあって市区町村から在住外国人に提供する媒体の一つとして増えてきたのが、外国語版の母子健康手帳ではないだろうか。本会は在住外国人にも妊娠、出産、育児に関する記録を残して、適切な健康管理や保健指導が受けられるようにと、日本語、英語、ポルトガル語、タガログ語、中国語、韓国語を併記し、1冊にまとめた6か国語版母子健康手帳を制作している。改訂前は4か国語版であったが、市区町村からの多言語版の要望が多くあり、6か国語に改訂した。1冊に6か国語が併記されているのが特徴で、外国人にはもちろん、市区町村の窓口では来訪者の対応にあたる保健師や担当者の説明資料としても活用されている。

▼在住外国人の母と子の健康を守るためにも、リプロダクティブ・ヘルスや妊娠、出産、育児に関する外国語版の冊子や情報が市区町村からさらに提供できることを願っている。 (TS)

 

 HPV4価ワクチン「ガーダシル」承認

 

尖圭コンジローマ予防にも効果期待

 
 子宮頸がん予防を可能にするHPVワクチンとして、国内では16型、18型という2価の「サーバリックス」が2009年12月に発売されているが、本年7月1日、新たにHPVの6型、11型、16型、18型の4価のワクチン「ガーダシル」が承認された。ガーダシルは2006年に米国で承認されて以来、123か国で承認されている。
(本会家族計画研究センター所長 北村 邦夫)

     

 ガーダシル(販売元=MSD㈱)は、前述4価の感染に起因する子宮頸がん、外陰上皮内腫瘍、腟上皮内腫瘍、尖圭コンジローマに対する予防効果があり、9歳以上の女性が接種対象となる。接種時期は「初回接種」「初回接種後2か月後」「初回接種後6か月後」の3回、筋肉注射が行われる。子宮頸がんの原因となる高リスク型HPVは15種類程あるので16型、18型ワクチンでは全体の約65%をカバーするに過ぎない。ガーダシル接種時すでに自然感染しているHPVや子宮頸部病変に対しての治療効果はないので、ガーダシル接種後も定期的に子宮頸がん検診を受け、早期発見に努める必要がある。

 尖圭コンジローマについては、わが国の年間推定患者数は3万9千人(うち女性2万1千人)程度で、HPV6型と11型の感染が原因の90%を占めていることから、ガーダシルの接種が尖圭コンジローマ予防に大きな成果を表わすことが期待されている。オーストラリアでは2007年に公費負担によるガーダシル接種プログラムが開始され、約6割~8割という高い接種率が達成されている(図)。その結果、尖圭コンジローマ患者の割合は、プログラム開始後に有意に減少している。とりわけ、妊婦が尖圭コンジローマを発症した場合、出産時の母子感染によって出生児に危険性が高まる再発性呼吸器乳頭腫症(*注)の発症を予防できることは大きな福音となる。

 また、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会は7月8日、ガーダシルを、公費助成による「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」に追加することを了承した。昨年11月から公費助成による緊急接種事業がスタートしたサーバリックス(販売元=グラクソ・スミスクライン㈱)は、接種者が大幅に増加したことから供給不足が続いていたため、部会では、二つのワクチンの安定供給を強く求めている。

 これを受けて、厚生労働省健康局結核感染症課予防接種係からは、各都道府県衛生主管部局長宛て通知が出されており、この中で「予防接種部会での指摘を踏まえ、適切に対応するための調整等を十分に行ってまいりたいと考えております。(中略)事業に位置付けるにあたっては事前にお知らせしている基準単価(平成23年5月31日付健発0531第8号厚生労働省健康局長通知)の変更は行わない予定」と書かれている。
 供給不足のため初回接種が先延ばしになっていたサーバリックスについては、7月20日から中1~高1の助成対象者全てに接種できることとなった。
 なお、本会クリニックは、新宿区の公費助成による子宮頸がん予防ワクチン接種施設となっている。
*注=再発性呼吸器乳頭腫症は、嗄声(させい)などの症状を伴い、重症化すると気道閉塞により死に至ることもある。若年発症ほど予後不良で、4歳までにこの診断を受けた小児の多くが年間4~6回の手術を要している。

 

 

 ジョイセフが東日本大震災で被災された産婦に義援金(ケショ)を支給

 

 途上国の妊産婦と女性の命と健康を守る活動を行っている国際協力NGOジョイセフ(財団法人家族計画国際協力財団)は、東日本大震災発生直後から募金を呼びかけて参りました。その結果、大震災発生以降、5月末までに、約4000万円の義援金が国の内外からジョイセフに寄せられました。被災された一人でも多くの妊産婦、そして女性の苦しみを和らげたいという世界中の人々の願いがこもっている義援金です。
 ジョイセフはこれをもとに、企業からいただく支援金の一部を加え、東日本大震災で被災された、岩手県、宮城県、福島県の産婦に下記の要領で義援金を直接支給いたします。(ジョイセフ事務局長 石井 澄江)

【義援金申請要項】
1.対象者
 被災時に岩手、宮城、福島3県に住民票があった被災者(居住する家屋が「全壊」または「半壊」した者、または「警戒区域」に居住していた者)で、平成23年3月1日~12月31日に出産した女性

2.支給金額
 一人あたり5万円

3.申請方法
 以下の通り(図「被災した産婦さんへの義援金(ケショ)申請の流れ」参照)

     

①対象者である産婦が、被災時に住民票のあった市町村に、罹災証明書等(当該産婦の居住する家屋が「全壊」または「半壊」した、または「警戒区域」に居住していたことがわかる書類をいう。以下同じ)及び住民票等(世帯構成がわかる書類をいう。以下同じ)の発行を申請

②市町村が、産婦に対し、罹災証明書等及び住民票等を発行

③産婦が、(1)罹災証明書等、(2)住民票等、(3)母子健康手帳の出生届出済証明(出生の届出をした市町村の公印が捺印されたもの)等(出生の事実がわかる書類をいう)のコピー、(4)申請書をジョイセフに送付(郵送のみ受け付け)

④ジョイセフから、産婦の指定口座(原則として産婦本人名義)宛に直接振り込み

4.申請書入手方法
①FAXによる請求
FAX03(3235)9776  国際協力NGOジョイセフ「ケショ」担当

②郵送による請求
〒162―0843東京都新宿区市谷田町1―10保健会館新館 国際協力NGOジョイセフ「ケショ」担当

③ジョイセフホームページよりダウンロード http://www.joicfp.or.jp/sp/PDF/kesho_app.pdf

5.ジョイセフ宛申請書受付期限
 平成24年2月29日(必着)。ただし、義援金の資金が終了した場合は、支給を早期に締め切ることもありますので、ご了承ください。
*「ケショ」とはアフリカで広く使用されているスワヒリ語で「あした」を意味します。被災された妊産婦さんにとって、生まれてくる赤ちゃんにとって、一日一日がよりよい「あした」になりますようにとの、世界中の人びとの思いが込められたものです。

【問合せ】ジョイセフ「ケショ」担当
電話番号03(3268)3172 kesho@joicfp.or.jp

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