機関紙

<18>東京慈恵会医科大学名誉教授 新村眞人

2016年09月 公開
シリーズ遺伝相談 特定領域編6

レックリングハウゼン病



東京慈恵会医科大学 名誉教授 新村 眞人



レックリングハウゼン病とは

 レックリングハウゼン病は、神経線維腫症1型(neurofibromatosis1/NF1)とも呼ばれ、小児期には皮膚にカフェオレ斑(図1)と呼ばれるミルクコーヒー色の色素斑が多発して見られ、思春期以後に神経線維腫(図2)と呼ばれる柔らかな皮膚腫瘍が見られる病気です。
 日本には約4万人の患者さんがいます。レックリングハウゼンは、130年前にこの病気について報告したドイツの医師です。

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図1 小児期のカフェオレ斑

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図2 思春期以後に見られる神経線維腫


症状

 神経線維腫は、年齢が進むに連れて全身にたくさん見られるようになることもありますが、数は患者さんによってさまざまで、数が少ないこともあります。
 大型の色素斑があったところが徐々に柔らかく局面上に隆起してくるものは、びまん性神経線維腫と呼ばれています。皮膚のほかにも背骨が曲がる側彎症や下腿骨の彎曲などの骨の変化が見られることがあります。
 また、カフェオレ斑の見られる子どもには、学習障害が見られる割合が高いといわれていますが、知能は正常であり、読み書きがやや苦手という程度です。さらに、脳のMRI検査を行うとUBOと呼ばれる変化が見られることがありますが、これは脳腫瘍などではなく、成人になると消えてゆくものですから、心配はありません。
 このようにレックリングハウゼン病の患者さんには、多くの種類の症状が見られますが、一人の患者さんにこれら全ての症状があるわけではなく、その一部が見られるだけで、症状の程度もさまざまで、全体としては重症な症例は少なく、生命の予後はよい病気です。


治療

 カフェオレ斑には、レーザーによる治療が有効な場合もありますが、再発も多く、効果は一律ではありません。神経線維腫は、目立つものは外科的に切除します。小型なものは、レーザーや電気メスで焼灼することもあります。


鑑別診断

 小児でカフェオレ斑が見られる場合には、数が少なく他の症状は現れない扁平母斑、部分的なレックリングハウゼン病であるレックリングハウゼン病のモザイク、カフェオレ斑だけが優性遺伝するが、他の症状の見られないレジウス症候群と鑑別する必要があります。


遺伝相談
 17番染色体の長腕に坐位するNF1遺伝子の変異による優性遺伝性の病気で、子どもの半分に遺伝します。
 3300の出生に1人の割合でレックリングハウゼン病の子どもが生まれてきますが、その半分は両親のいずれかから遺伝したものであり、残りの半分は両親とも健常で、自然突然変異によるものです。
 レックリングハウゼン病は、臨床症状で診断がつき、遺伝子検査をする必要はありません。出生前診断、受精卵診断は技術的には可能ですが、わが国では行われていません。

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