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第806号

 思春期・FPホットライン相談員 中尾光子

 私が電話相談員となってもうすぐ1年たとうとしています。それまで地域の家族問題に関わる中で、子どもの思春期の発達課題を先延ばしにしたまま時がたち、困難を迎えたときにそれを乗り越えることができずに問題が大きくなり、どうにもできなくなってしまうケースに対応することが度々ありました。
 「思春期」という時期の大切さを意識するようになり、受講したJFPA思春期保健セミナーで思春期の子供たちの自我同一性の確立に影響する性の問題について学び、相談員として子どもたちの相談を受け始めました。
 高校3年の女性から「初めて彼ができてとてもうれしい。でも母親が『若い男は性欲が強いから危ない』と言って交際を反対されている。セックスはまだだけど、してみたい気持ちもある。どうしたらいいでしょうか?」という相談がありました。
 交際は二人の意思で関係を築くもので、母親が禁止する権利はなく、自分の気持ちを大事にして決めるように伝えました。しかし、避妊や性感染症については「よく知らない」と言う彼女を母親が心配することは当然であることも伝え、セックスの前に正しい知識を身につけ、自分で自分を守ることができるようになってほしいと話しました。
 彼女は信頼していた母親に対する抵抗を感じ、自立と依存の間で悩んでいましたが、自身の行動に伴うリスクや責任を意識することはまだできていませんでした。これから対等な交際関係や自立した親子関係を築いていき、OC/LEPも味方につけ、自分の思うように歩んでほしいと思いました。
 また、電話相談では母親から、子どもの性についての相談も度々あります。性の正しい知識を親世代も広く学ぶ機会の必要性を感じます。
 別の相談では、高校1年の男子から「学校の性教育でアダルトビデオは正しくないということを教えられた。じゃあ正しいやり方ってどうすれば分かりますか?」という質問がありました。
 性行為は相手とのコミュニケーションであり、お互いを尊重しながら一緒に作り上げていくもので、正しい答えを教えてもらうものではないことを伝え、まず自分自身で考えてみるための教材として北村所長の著書「ティーンズ・ボディーブック」を勧めました。
 思春期は多くの出会いの中で、失敗を経験したり、試行錯誤しながらも自分を見つめ、相手との関係性を築いていくとても大切な時期です。新型コロナ感染症の流行により人との交流を制限される生活を強いられる状況が早く収束することを願うばかりです。
 さて、歴史ある「思春期・FPホットライン」は近年の若者のコミュニケーション手段の変化に伴い、4月からは電話相談からLINE(ライン)相談に変わりました。早速、SNSに慣れた若者からの相談が少しずつ入ってきています。SNSに疎い私も時代に合わせてまた試行錯誤しながら子供たちの悩みに寄り添っていきたいと思います。

お知らせ

電話・LINE(ライン)相談

  • 思春期・FP相談LINE ※平日のみ
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  • 東京都不妊・不育ホットライン ☎ 03(3235)7455 ※火曜日のみ
  • EC・OCヘルプデスク ☎ 03(6280)8404

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☎ 03(3235)2694
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