⑦離乳の進め方⑥離乳への移行離乳食の進め方は大きく初期、中期、後期、完了期の4つの段階にわけられますが、各期によって、食品の種類や量が異なり、調理した食品の固さや大きさが変わります。こどもの発育、発達の状況にあわせて離乳をすすめましょう。また、生活リズムを身につけ、食べる楽しさを体験していくことができるように工夫しましょう。㊟離乳食のポイントア食品の種類と組合せ離乳の進行に応じて、食品の種類及び量を増やしていきます。離乳の開始は、おかゆ(米)から始め、新しい食品を始める時には離乳食用のスプーンで1さじずつ与え、こどもの様子をみながら量を増やしましょう。慣れてきたらじゃがいもや人参等の野菜、果物、さらに慣れたら豆腐や白身魚、固ゆでした卵黄など、種類を増やしてみましょう。離乳が進むにつれ、魚は白身魚から赤身魚や青皮魚へ、卵は卵黄から全卵へ、食べやすく調理した脂肪の少ない肉類、豆類、緑黄色野菜などの野菜類、海藻とヨーグルト、塩分や脂肪の少ないチーズと新たな種類も増やしてみましょう。脂肪の多い肉類は少し遅らせましょう。離乳期には、赤ちゃんに物を与えはじめるのは、5~6か月頃が適当です。なお、離乳開始前の乳児に果汁を与えることについて栄養学的な意義は認められていません。赤ちゃんの機嫌が良くて、時間にゆとりがあるときに離乳食を開始しましょう。赤ちゃんのペースに合わせて、あせらず、離乳は行きつ戻りつでも大丈夫です。また、スプーンなどの使用は、通常生後5~7か月頃にかけて哺乳反射が減弱、消失していく過程でスプーンが口に入ることも受け入れられていくので、離乳の開始以降でよいです。離乳を段階的にすすめることで、しっかりかむ力や飲み込む力が発達します。9~10か月頃になると、手づかみ食べが始まります。手づかみ食べにより、自分で食べる練習になるとともに自分で食べる意欲が育ちます。かみつぶすことができるようになります。こどもが乳汁を必要としなくなる時期は、こどもの成長や発達、離乳の進行の程度や家庭環境によって個人差があります。乳汁を終了する時期を決めることは難しいことから、いつまで授乳を継続するかについては、お子さんの状態や自らの状態により判断しましょう。生の肉・魚・卵をあげるのは避けましょう。離乳食に慣れ、1日2回食に進む頃には、穀類(主食)、野菜(副菜)・果物、たんぱく質性食品(主菜)を組み合わせた食事にしましょう。また、家族の食事から調味する前のものを取り分けたり、薄味のものを取り入れたりすると、食品の種類や調理方法が多様になります。ベビーフードを使用する場合は、こどもに与える前に一口食べて、味や硬さが適切かどうか確認しましょう。温めるときは熱くなり過ぎないように注意しましょう。母乳育児の場合、生後6か月頃に鉄欠乏やビタミンD欠乏の報告があることから、適切な時期に離乳を開始し、様子をみながら大豆製品、魚類、肉類など鉄の多い食品や魚類、卵黄、きのこ類などビタミンDの供給源となる食品を意識的に取り入れることが重要です。食物アレルギーがあっても原因食物以外の離乳食開始の時期を遅らせる必要はありません。医師から指示された原因食物を除去しながら通常通りに離乳食を進めましょう。離乳が順調に進まず鉄欠乏のリスクが高い場合や、適当な体重増加が見られない場合には、医師に相談した上で、必要に応じてフォローアップミルクの活用も検討しましょう。牛乳を飲用として与える場合は、鉄欠乏性貧血の予防の観点から、1歳を過ぎてからが望ましいとされています。はちみつは、乳児ボツリヌス症を引き起こすリスクがあるため、1歳を過ぎるまでは与えないようにしましょう。イ調理形態・調理方法離乳の進行に応じて、食べやすく調理したものを与えましょう。こどもは細菌への抵抗力が弱いので、調理を行う際には衛生面に十分に気を配りましょう。食品は、こどもが口の中で押しつぶせるように十分な固さになるよう加熱調理し、初めは「つぶしがゆ」とし、慣れてきたら粗つぶし、つぶさないままへと進め、軟飯へと移行させます。野菜類やたんぱく質性食品などは、始めはなめらかに調理し、次第に粗くしていきます。離乳中期頃になると、つぶした食べ物をひとまとめにする動きを覚え始めるので、飲み込み易いようにとろみをつける工夫も必要になります。調味について、離乳の開始時期は、調味料は必要なく、離乳の進行に応じて、食塩、砂糖など調味料を使用する場合は、それぞれの食品のもつ味を生かしながら、薄味でおいしく調理します。油脂類も少量の使用としましょう。 12~18か月頃には形のある食物を48
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