妊娠中から考える お産のあとの あなたと赤ちゃんの健康
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⑦妊娠中の食中毒予防について⑧授乳期の食事について②妊娠中の過ごし方について③貧血予防のために④丈夫な骨や歯をつくるために⑥魚介類に含まれる⑤葉酸摂取について水銀についての炭水化物を主材料とする料理です。授乳中は必要なエネルギーが増えるため、しっかりとるようにしましょう。繊維を含む野菜、いも、豆類(大豆を除く)、きのこ、海藻などを主材料とする料理です。体を整えるビタミンやミネラルを副菜からしっかりと補いましょう。などのたんぱく質を含む食材を主材料とする料理です。たんぱく質は血液や筋肉をつくる、体の構成に必要な栄養素です。さまざまな主菜を組み合わせて、十分にとることが大切です。その他、カルシウムが補える牛乳(乳製品)や、ビタミン・ミネラルが豊富な果物も適量をとるように心がけましょう。妊娠中は、免疫機能が低下して、食中毒など食べ物が原因の病気にかかりやすくなっています。妊婦にとって特に注意が必要な病原体として、リステリア菌とトキソプラズマ原虫が挙げられます。また、お母さんに症状が無くても、赤ちゃんに食品中の病原体の影響が起きることがあります。感染を防ぐため、妊娠中は生ハムや加熱殺菌していないナチュラルチーズなどをなるべく避け、食品を十分に加熱して食べましょう。そして、食中毒予防のために、日頃から食品を十分に洗浄し、加熱するなど、その取扱いに注意しましょう。母乳は赤ちゃんにとって大切な栄養源です。授乳期のお母さんの健康と赤ちゃんの健やかな成長のために、妊娠前と比べて350kcal多くエネルギーをとることが必要とされています。この時期の無理な減量は禁物です。授乳期に特にたくさん食べなくてはいけない食品はなく、必要な栄養素をバランスよく摂取できるように、主食、主菜、副菜がそろった食事を1日2回以上とることを心がけましょう。また、水や、麦茶などでこまめに水分補給をするとよいで中の体重増加指導の目安」を参考に、食事の内容、とり方、生活のしかたを考えて体重の増え方が順調か、医師や助産師の助言を受けながら見守りましょう。睡眠、休養を十分にとり、過労を避け、望ましい体重増加になるように心がけましょう。毎日の食事はバランスのとれた内容とし、砂糖、菓子類はひかえめにし、脂肪の少ない肉や魚、そのほか乳製品、豆腐、納豆など良質のたんぱく質や、野菜、果物を適度にとりましょう。また、適度な運動により、妊娠高血圧症候群等の妊娠に関連する病気を予防できる可能性があります。運動量については、主治医等とよく相談しましょう。貧血を防ぐためには、毎日、栄養のバランスがとれた食事をきちんととることが大切です。鉄分の補給については、吸収率が高いヘム鉄が多く含まれる赤身の肉や魚などを上手に取り入れるように心がけましょう。また、鉄分の吸収率を高めるたんぱく質やビタミンCが含まれる食品をとることも大切です。生まれてくる赤ちゃんの骨や歯を丈夫にするためには、カルシウムだけでなく、たんぱく質、リン、ビタミンA・C・Dの栄養素を含む食品をバランス良くとることが大切です。二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発症予防のため、妊娠前から妊娠初期の女性は、食事に加え、サプリメントなどによって付加的に1日あたり400㎍の葉酸摂取が望まれます。ただし、とりすぎには注意が必要です。神経管閉鎖障害とは、妊娠初期に脳や脊髄のもととなる神経管と呼ばれる部分がうまく形成されないことによって起こる神経の障害です。葉酸不足の他、遺伝などを含めた多くの要因が複合して発症するものです。魚介類は良質なたんぱく質や微量栄養素を多く含みます。魚介類の一部には、食物連鎖を通じて、高い濃度の水銀が含まれているものもあり、胎児に影響するおそれがあるという報告もあります。水銀濃度が高い一部の魚だけに偏って毎日たくさん食べることは避けましょう。しょう。なお、アルコールは母乳に移行して赤ちゃんの発達に影響を与えるため、禁酒が原則です。◦主食: ごはん、パン、めん類など◦副菜: ビタミン、ミネラル、食物◦主菜: 肉や魚、卵、大豆(大豆製品)            42

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