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一般社団法人 日本家族計画協会

機関紙

<54>中絶を繰り返さないで 神谷レディースクリニック(北海道札幌市) 岩見 菜々子

2014年09月 公開
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岩見氏

中絶を繰り返さないで


 

神谷レディースクリニック(北海道札幌市) 岩見 菜々子

 

 

欧州の学生に刺激受ける
私の性教育との出会いは学生時代の活動を通してでした。医学部5年のころ、母校が国際医学生連盟日本支部(IFMSA Japan)に加入し、友人から一緒に活動してみないかと誘われたのがきっかけです。

 

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講演の様子

活動の一つとして、学校祭で性教育に関する活動を行うことから始めました。ブースを設け、セミナーを開催し、地域の中学生・高校生に避妊方法の説明やHIV予防の呼び掛けを行いました。

またその活動の一つである交換留学制度に参加し、夏休みにスウェーデンのウメオ大学に短期留学し、世界中の医学生と3週間生活を共にしました。各国の医学生と日常生活を共にしていて驚いたのは、ヨーロッパ諸国の女子学生がほとんど低用量経口避妊薬・ピル(OC)を内服していたことでした。しかもライフプランの実現において大切な薬という認識を持っており、産婦人科の授業で聞いたことがあるという程度の知識しかなかった私は、認識の違いに衝撃を受けました。
そして、そのころから同じ女性の悩みを解決したい、女性の一生に関わる仕事がしたいという思いが強くなり、産婦人科を選択しました。
 

地域密着の医療目指して
産婦人科医になり、大学病院での勤務が多かった私は、OCについて学ぶ機会が少ないまま5年が過ぎました。そのころ、札幌市で開催された日本家族計画協会主催のOCスキルアップセミナーに参加しました。患者さんに広めていくために必要な知識や処方の注意点、さらには普段OCを処方していらっしゃる先生方の生の熱い声を聞くことができ、OCについてもっと勉強していきたい、広めたいと強く思い始めました。ちょうどそのころ、より地域に密着した医療がしたいとのことで赴任したのが苫小牧市です。
苫小牧市は札幌から南に車で1時間半ほどのところに位置する都市で、北海道第5位の人口となっています。そして現在も人口は伸び続けている地域であり、今後は札幌のベッドタウンとしてさらに都市が大きくなっていくことも期待されております。
また苫小牧市は北海道胆振日高地方の中心都市としての役割もあり、地方の産婦人科閉院や産婦人科集約化により総合病院の産婦人科が閉鎖されたことから、車で1時間半ほどの地域からも患者さんがいらっしゃいました。そのため勤務したクリニックは産科、婦人科、不妊症について幅広く行っており、分娩数は年間650件前後。来院される患者さんの年齢層も幅広く、ここで誕生された方が婦人科疾患や検診などで来院されたりするケースも多数ありました。
 

中絶後や産後の避妊指導を徹底
地域のクリニックに勤務し、一番ショックだったことは、中絶手術を繰り返す人があまりにも多いことでした。前回の中絶手術から1年も経過していない間に繰り返される望まない妊娠、中絶希望のために訪れる経産婦さんを、どのように意識改革していくかが課題でした。
まずは中絶手術を受ける患者さんには術後に禁忌がない限りOCを内服してもらうこと、緊急避妊に来院された患者さんのOCへの移行を行うこと、産後検診で避妊法についてお話しすることを徹底することから開始しました。
さらに院内研修会の開催やマニュアル作成などを通して、患者さんへの説明にスタッフが自信を持って対応できるようにし、患者さんからの電話対応をどのようにするかなど、OCについて知識の共有を行いました。
またクリニックのホームページも改訂し、ブログへも定期的にOCの説明や避妊方法を投稿していくことで、診療の際に出会う患者さん以外にも理解を呼び掛けました。そのような小さな努力を始め、少しずつOC処方数も伸び始めました。
 

女性の人生設計にOCを生かして
また広く一般市民の方へも避妊教育を行っていきたいという思いから、苫小牧市医師会の協力を得て、昨年は苫小牧市民報への記事の投稿、看護学校での性教育、市内での性教育講演会の講演を開始いたしました。今年6月から現在の勤務先に移ったので、今後は札幌市を含めて活動していきたいと思っております。
女性にとって妊娠、出産は、人生設計においてとても大切な問題です。将来のライフプランの実現のために、OCが果たす大切な役割をもっと地域に広めていきたいと思っております。
 

【略歴】
2005年札幌医科大学卒業。札幌社会保険総合病院、札幌医科大学附属病院、板橋中央総合病院、レディースクリニックぬまのはた、とまこまいレディースクリニックを経て、2014年6月から現職。

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