機関紙

【第762号】平成29年9月1日発行(2017年)

2017年09月 公開

9月号の目次   有料購読のお申し込みはこちら

1面 ・平成29年度 ブロック別母子保健事業研修会開催

  ・編集帖

2面 ・国連世界人口推計をどう読むか

   「体内時計」に合わせたエクササイズで体調を整える 他

3面 ・「お腹の赤ちゃんを大切にする加賀市生命尊重の日」制定 他

4面 ・LGBT支援のあり方を学ぶ

5面 ・災害時の家族と健康<最終回>

6面 ・職域保健の現場から<35>

7面 ・海外情報クリップ(乳がんのリスクと生活習慣、テレメディスンの普及、他)

   ・OPEN HOUSE

8面 ・産婦人科医による性の健康教育<30> 四季レディースクリニック 江夏亜希子

平成29年度 ブロック別母子保健事業研修会開催

10~11月、全国6ブロックで開催

 本会と各都道府県との共催により毎年開催している「ブロック別母子保健事業研修会」。1956年から始まったこの研修会は、全国を六つの地区に分け、その地域や時代の問題に合わせたテーマで、講演やシンポジウムが行われています。今年も地域ごとのさまざまなテーマで研修会が開催されることが決定しましたので、ここにご案内します。


東北・北海道地区
【日時】11月7日㈫10時40分~15時45分
【会場】盛岡市民文化ホール・小ホール(盛岡市)
【主な内容】行政説明/子育て支援包括センターの設置と従事者に求められる役割/切れ目のない母子支援の実践
【問い合わせ】岩手県保健福祉部子ども子育て支援課少子化担当(工藤)
☎019(629)5456


関東甲信越地区
【日時】11月10日㈮9時30分~15時50分
【会場】山梨県防災新館(甲府市)
【主な内容】行政説明/妊娠期・産後・育児期に起こりやすい母親のメンタルヘルスの支援について/シンポジウム・妊娠期からの切れ目のない支援体制
【問い合わせ】山梨県福祉保健部健康増進課母子・難病担当
☎055(223)1496


東海北陸近畿地区
【日時】10月20日㈮10時~16時
【会場】東大寺総合文化センター金鐘ホール(奈良市)
【主な内容】行政説明/ハイリスク妊婦の把握(アセスメントの仕方)と支援後の地域における評価について/妊娠期からの切れ目のない支援に向けて/シンポジウム・妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目ない支援について考える
【問い合わせ】奈良県医療政策部保健予防課母子・保健対策係
☎0742(27)8661


中国・四国地区
【日時】10月12日㈭9時30~15時20分
【会場】愛媛県庁第一別館(松山市)
【主な内容】行政説明/HTLV―1母子感染予防対策に求められる体制整備/子育て世代包括支援センターの具体的な活動について
【問い合わせ】愛媛県保健福祉部健康衛生局健康増進課母子保健係
☎089(912)1000


九州地区
【日時】11月14日㈫10時~16時
【会場】沖縄県立博物館・美術館(那覇市)
【主な内容】行政説明/地域での母子支援に求められること~産前産後の支援を中心に~(仮)/シンポジウム・各分野から母子支援について考える
【問い合わせ】沖縄県保健医療部地域保健課母子保健班
☎098(866)2215


北海道単独
【日時】10月17日㈫10時10分~16時20分、18日㈬9時30分~12時10分
【会場】KKRホテル札幌、北海道第二水産ビル(ともに札幌市)
【主な内容】行政説明/産後うつを予防するための取組みについて/ペリネイタルロス経験者への支援について/ほか
【問い合わせ】北海道保健福祉部子ども未来推進局子ども子育て支援課医療・母子保健グループ
☎011(206)6343
***
 詳細は決定次第、本会HPでも随時公開しております。詳しくは、各都道府県までお問い合わせください。参加費は無料です。

編集帖

▼2000年2月のことだった。英国に本社のあるベンチャー企業の関係者が本会を訪ねてきた。それから丸11年を経た11年2月23日に悲願の新薬が承認された。折しも、その日は筆者の還暦の誕生日だった。その新薬とは、緊急避妊薬「ノルレボ錠」だ

▼筆者にとって思い入れの強い緊急避妊薬をめぐって、スイッチOTC(Over The Counter)化の動きが起こっている。医師の処方箋が必要な薬剤を、薬局店頭のカウンター越しに入手できるようにすることだ

▼去る7月26日、厚生労働省は評価検討会議を開催した。筆者は会議での様子を参加者から聞くことになったのだが、会場には日本医師会や日本薬剤師会の代表委員が出席し、産婦人科関連団体の代表も参考人として招かれていた。結論を急げば、委員のほとんどが「スイッチ不可」と判定したというのだ

▼医師側は「あくまでも問診、情報提供、指導が必要」とし、薬剤師側からは「薬剤師が研修して販売できる体制をつくりたいが、時期尚早」と発言したという

▼緊急避妊薬の安全性と有効性はすでに明らかだが、筆者は薬局での入手を可能にするには、BPC(Behind the Pharmacy Counter)にすべきだと長年主張してきた。服用に際しては、丁寧な指導が不可欠だからだ

▼緊急避妊薬は、性交後72時間以内に服用することで妊娠の危険性を90%ほど減らせるが、排卵を遅らせる作用があるために、服用後の性交で妊娠する可能性が高まることに注意を払う必要がある

▼「緊急避妊薬からピルへ」も重要なメッセージだ。高額であることも問題だ。女性のリプロダクティブ・ヘルス/ライツを向上させる観点からも、関係者一同が会して、女性ファーストの前向きな議論を早速始めていきたい。
(KK)

産まない選択への圧力 懸念
 「お腹の赤ちゃんを大切にする加賀市生命尊重の日」制定

 石川県加賀市は7月13日を「お腹の赤ちゃんを大切にする加賀市生命尊重の日」と条例で定めた。市によれば、このような条例の制定は全国初であるという。条例の制定は、女性の産む産まないの自己決定権への圧力になると懸念されている。


生命尊重と中絶禁止
 本年6月、石川県加賀市が7月13日を「生命尊重の日」とする条例を定めた。この日は、刑法堕胎罪の例外規定として人工妊娠中絶(以下、中絶)を認めた旧優生保護法(現母体保護法)が公布された日だ。
 条例は少子化対策の一環とされ、条例の趣旨には「お腹の赤ちゃんを社会の大切な一員として温かく迎えられるように、お腹の赤ちゃんと妊産婦を大切にするまちづくりの実現に向け、お腹の赤ちゃんを大切にする加賀市生命尊重の日を定めるものとする」とある。
 ここには、胎児も一人の人間であり、妊娠したら女性は中絶ではなく、産む選択をすべきで、それが出生率向上につながるという意図が感じられる。
 しかし、女性には、さまざまな事情から最後の選択として中絶を余儀なくされる場合がある。「中絶」という言葉こそないが、条例は女性への無言の圧力にならないだろうか。
 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)に長年取り組んできた元日本家族計画連盟事務局次長・芦野由利子氏は「加賀市の条例には、産むか産まないかという極めてプライベートな領域に、行政が介入するという基本的問題がある。少子化対策には、戦前の『産めよ、殖やせよ』と同じ、女性の体を調節弁とする人口政策につながる危険がある」と話す。
 芦野氏は、少子化対策として国や地方自治体が行うべき施策は、産みたい人が安心して産み育てられる環境づくり―経済的支援や保育所の整備、労働環境の改善など―であり、産む産まないに関する個人の選択が狭められてはならないと語る。
 「生命尊重」という言葉は、これまで「中絶禁止」と結びついて使われてきた経緯がある。例えば1982年には、「(胎児の)生命尊重」を理由に、旧優生保護法から中絶の許可条件の一つである「経済的理由」を削除する法案が国会に提出されそうになった。中絶の理由の大半を占めるこの条件が削除されれば、中絶をした女性と医師は、刑法堕胎罪で処罰される。この法案には女性を中心に全国で反対運動がおき、国会上程は阻止された。


産む産まないの選択は家族計画の基本理念
 7月5日付朝日新聞によれば、7月13日を生命尊重の日にするよう求める要望書が2月、加賀市に提出されている。提出したのは「円ブリオ石川 生命尊重センター NPO法人円ブリオ基金センター」だ。
 生命尊重センターは、1982年に来日したマザー・テレサの「日本は美しい国だが、中絶が多く、心の貧しい国だ」という言葉を受けて、84年に発足した。
 円ブリオ基金センターは、生命尊重センターを母体とし、「産むか産まないか悩む妊婦さんに安心して産んでもらうため」の募金活動や、電話相談を行っているという。
 加賀市は2月に要望書を受け、6月に条例を可決したが、それ以前に、「子どもの命を大切にする啓発事業」として、今年度予算に50万円を計上している。
 同様の動きはほかにも見られる。今年3月23日、滋賀県愛荘町議会は7月13日を「生命尊重の日」と制定するよう求める意見書を可決し、同日付で国に提出した。こちらも円ブリオ基金と関連のある「母と子のいのちを守る会」の請願を受けて行われた。
 こうした一連の動きに、芦野氏は警鐘を鳴らす。
 「怖いのは社会の空気だ。中絶には負のイメージがつきまとい、"罪の意識"に悩む女性は今でも多い。『生命尊重の日』条例ができることで、中絶に対する社会的抑圧が強まり、女性の基本的権利である産む産まないの選択の自由が脅かされるような空気が醸成されていくとしたら、女性にとっては非常に生きにくい社会になる。それは多様な生き方の否定にもつながり恐ろしいことだ」
 海外にも不穏な動きがある。米国ではトランプ大統領によって、グローバル・ギャグ・ルール(口封じの世界ルール)が再導入され、米国政府は、中絶に関する情報・サービスを提供する国外のNGOへの資金援助をすべて停止した。
 子どもたちに向けた「命の教育」が一種の流行になっていることを危惧するのは本会・北村邦夫理事長だ。
 「命の尊さを否定する者はいなだろう。しかし、これを語ることで思春期の子どもたちの自殺やいじめがなくなるわけではない。むしろ、いつでもヘルプの声を上げていいんだよということを、教育現場では積極的に伝えていってほしい」と力説する。
 本会は、人工妊娠中絶を礼賛する団体ではない。女性の計画していない妊娠を防ぐことで、人工妊娠中絶を減らせるようこれまでも運動を展開してきた。産む産まないの選択の権利は、家族計画の基本理念であり、国や地方自治体が介入することではないことをあらためて強調したい。
 本会は、今後もリプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する情報・教育・サービスの徹底に尽力していく。

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