機関紙

【第755号】平成29年2月1日発行(2017年)

2017年02月 公開

2月号の目次   有料購読のお申し込みはこちら

1面 ・トランプ米大統領による「グローバル・ギャグ・ルール」の再導入反対

   ・編集帖

2面 ・かかりつけ薬剤師・健康サポート薬局の制度 他

3面 ・若者の自殺の現状と対策の課題

   ・2015年度 中絶件数さらに減少 他

4-5面 ・思春期保健相談士130人®誕生

6面 ・シリーズ遺伝相談<23> 遺伝性難聴

   ・しつけ~「甘やかす」と「甘えさせる」~

7面 ・海外情報クリップ(性欲低下障害と新薬の開発、女性の加齢と性機能の低下、他)

   ・OPEN HOUSE

8面 ・産婦人科医による性の健康教育<23> やすいウィメンズヘルスクリニック 安日泰子

編集帖

▼本会では、実現すべき政策的スローガンとして"7A"を掲げている(本紙面上段を参照)。その一つの"A"がAgeing(高齢化社会対策)。世界的にも高齢化は深刻な問題となっており、2050年に60歳以上の人口は20億人に達すると推定されている。本会も期待に応えられるよう高齢者への健康支援事業の取り組みに力を入れている

▼先日、日本老年学会と日本老年医学会は、高齢者の定義を65歳以上から75歳以上に見直すよう提言した。高齢者の心身の健康に関する種々のデータから、10~20年前に比べ加齢に伴う身体的機能変化が5~10年の「若返り」現象が見られる

▼両学会のワーキンググループでは、高齢者の定義と区分を再検討するに際し、今の高齢者を、社会の支え手でありモチベーションを持った存在と捉え直し、超高齢社会を明るく活力あるものにするとした

▼生産年齢人口に含まれない65歳以上の就労者は、00年総就業者数6430万人中481万人(7・5%)であったのが、15年は6376万人中730万人(11・4%)と3・9ポイントも増加している

▼准高齢者(65~74歳)の労働力は、今や日本社会には欠かせないものであると同時に、仕事を持つことは、最大の健康維持・増進の要因となり、健康寿命の延伸にもつながる。しかし、高齢の労働者は、若年労働者に比べて災害発生率が高く、被災した場合もその程度が重くなるという課題もある。産業保健における健康支援活動がよりいっそう重要視される

▼就業場所別に見た保健師実人員割合(16年末)は市町村56・2%、事業所8・3%と産業保健での保健師数は少ない。生産的な健康長寿社会を目指し、健康支援活動の提供を地域と職域の連携で実現するためにも、産業保健への保健師の参画をさらに期待したい。

(HM)

かかりつけ薬剤師・健康サポート薬局の制度

NPO法人HAP理事長/薬剤師
宮原 富士子

 昨年4月からスタートした「かかりつけ薬剤師」制度。また10月からは「健康サポート薬局」を名乗るための、都道府県知事への届出も始まっています。服薬の管理や医療費の削減などが期待される、この新たな制度について、NPO法人HAP理事長の宮原富士子さんに解説をいただきました。(編集部)



●かかりつけ薬剤師に求められるもの
 かかりつけ薬剤師・健康サポート薬局が注目されています。これは、法律の改正に基づく制度改正です(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正。平成28年2月12日)。
 地域住民が気軽に健康や医療、介護について相談できる場所としての「薬局機能」と、「薬剤師職能」を兼ね合わせた制度の普及が本格的に始まりました。この制度は、国民自らが自身の健康づくりを考え、取り組んでいく風土の醸成に、大いに役立つものと期待されています。
 厚生労働省が2015年10月に公表した「患者のための薬局ビジョン」には、将来に向けての薬剤師・薬局への期待が詳細に記述されています。薬剤師は、このビジョンに向かって切磋琢磨し、研鑽を積んで、真に地域住民のために尽力することが求められています。
 「かかりつけ薬局」については、前述した法律施行規則の第一条第五項第十号において、詳細が定められています。どちらも日本の重要な法律にのっとった真摯な取り組みとなります。
 かかりつけ薬剤師・かかりつけ薬局に求められる主要機能は、以下の3点です。
①服薬情報の一元的・継続的把握とそれに基づく薬学的管理・指導
 お薬手帳の意義・役割を説明し、その活用を促すとともに、一人の患者が複数のお薬手帳を所持している場合のお薬手帳の一冊化・集約化に努めることが必要です。
②24時間対応・在宅対応
 夜間・休日であっても、子どもを持つ親や、妊娠中・授乳中の女性などを中心に、薬の副作用や飲み間違い、服用のタイミング等に関する電話相談のニーズは高いと考えられています。このため、開局時間外にも随時電話相談を行えるよう、当該患者の状態を把握しているかかりつけ薬剤師(かかりつけ薬剤師が対応できない時間帯がある場合はかかりつけ薬剤師と適切に情報共有している薬剤師を含む)が相談等に対応できるようにすることが必要です。
③かかりつけ医を始めとした医療機関・介護関係者等との連携強化
 地域の社会資源等に関する情報を十分に把握し、地域包括支援センターや居宅介護支 援事業所、訪問看護ステーションなどの地域包括ケアの一翼を担う多職種と連携体制を構築していることが重要です。


●健康サポート薬局に求められるもの
 健康サポート機能を有する薬局とは、かかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能を備えた薬局のうち、地域住民による主体的な健康の維持・増進を積極的に支援する薬局とされます。
 登録は、保険薬局が管轄保健所に申請し、審査受理されて都道府県のHPに公表されるという仕組みになります。健康サポート薬局は、単にかかりつけ薬剤師・薬局の機能を果たすだけでなく、地域の方々に健康講座や相談会などを定期的に開催して、住民のさまざまな相談や支援を行うこととなります。ますます地域の各職種との連携が重要になります。


●セルフメディケーションへの支援
 セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調(minor ailments)は自分で手当てすること」とされています。
 薬剤師が薬局で行う健康に関する相談対応は、OTC医薬品(一般用医薬品)の販売を伴うか否かにかかわらず、一般生活者に対して行うことができるプライマリーケアであり、一般生活者が行うセルフメディケーションの支援であるとも考えられます。本年から始まったセルフメディケーション税制優遇施策の支援にもなると考えます。

2015年度 中絶件数さらに減少

 厚生労働省「衛生行政報告例」

  昨年11月、厚生労働省は2015(平成27)年度の衛生行政報告例を発表した。中絶実施件数は17万6388件(前年比5517件減)、15歳から49歳の女子人口千対の中絶実施率は6・8(前年比0・1ポイント減)で、統計史上初めて18万件を割った。(本会理事長 北村邦夫)


 1955年には117万件の中絶が行われていたと報告されているから、まさに隔世の感がある。この60有余年にいったい何が起こっているのだろうか。
 中絶は妊娠の結果であり、妊娠は性行為の後に起こるわけだから、教育や避妊法の普及によって確実な避妊が行われている、出生数が増えている、性行動の停滞などに中絶減少の要因があると考えられる。
 女性が主体的に取り組める避妊法の代表格といえば低用量経口避妊薬(ピル)や緊急避妊法。わが国の場合、ピルが承認・発売されたのは米国に遅れること40年の99年9月。避妊できなかったとき、避妊に失敗したとき、72時間以内に対処することで妊娠を90・8%減少させられる緊急避妊薬が登場したのが2011年5月。これらの近代的避妊法が普及すれば中絶実施件数が減少するのは当然である。
 本会が公益目的支出計画事業の一環として02年から2年ごとに実施している「男女の生活と意識に関する調査」は昨年に第8回を終えたが、この結果(未発表)によれば、ピルや月経困難症などの治療薬である低用量ホルモン剤を含む女性ホルモン剤の使用者はわずか4・2%に過ぎず、緊急避妊薬についても認知度が高まったとはいえ、中絶実施率に影響を及ぼすほどに普及しているとは言い難い。
 妊娠能力が一定であるとしたら、中絶実施率の減少は出生率の増加を意味する。しかし、昨年の出生数は1947年の統計開始以来初の100万人割れが話題になるなど、出生率が増加している事実はない。
 出生率の低下、定点報告から見る性感染症罹患率の低下、そして中絶の減少などを考え合わせると、性行動の停滞がこの結果をもたらしているのではないかと考えずにはおれない。事実、未婚者、既婚者を問わない性行動の停滞が前述の調査結果(未発表)からも読み取ることができる。
 中絶統計報告では都道府県データも発表された。15~49歳の女子人口千対の中絶実施率は6・8であるが、高いのは鳥取・鹿児島が10・0、福岡9・6、熊本9・3。低いのは奈良4・0、京都4・5、埼玉・千葉4・6。20歳未満は全国で5・5であるが、高いのは福岡8・8、熊本8・5、高知7・6、鹿児島7・5、低いのは奈良・山梨3・1、山形・兵庫・徳島の3・7となっている。

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