機関紙

<45>筆の都・熊野町でCOの普及を 医療法人豊田レディースクリニック(広島県熊野町)豊田 紳敬

2013年12月 公開

筆の都・熊野町でOCの普及を

 
豊田氏  

 

医療法人豊田レディースクリニック(広島県熊野町) 豊田 紳敬


熊野町
 熊野町は広島県西部に位置し、広島市から東南へ約12㎞の地点にあり、周囲を山に囲まれた標高約250mの高原状の盆地であります。人口はおよそ2万5千人で、ご多分に漏れず人口減少と急速な少子高齢化が進んでおります。江戸時代から伝わる筆の製造を産業の中心として「筆の都」として栄えてきたまちで、毎年9月23日には「筆まつり」を行っており、2008年には筆の魅力を全国に発信し、筆文化の振興と筆産業の発展を図るため、春分の日を「筆の日」と定めました。「筆の里工房」では、全長3・7mの世界一の大筆を中心に、筆の歴史を日本文化の変遷をたどりながら紹介する常設展示や、国から認定を受けた伝統工芸士の筆づくりの実演、筆を使ったさまざまな体験、年間数回の全国有名書画家の特別企画展などが開催され、片岡鶴太郎さんをはじめ多くの著名人が訪れています。

 

 

 
 

 

 
 待合室  

  

   
プレイルーム    

 豊田レディースクリニック
 豊田レディースクリニックは、熊野高校、熊野第四小学校の前に位置しています。建物は100坪の平屋で半円形をしており、全体的に曲線を主体とした柔らかなイメージです。公共の交通網が十分でないこの地域では広い駐車場が不可欠で、20台以上ゆったりと置けます。待合室の隣にはプレイルームを設け、専任の保育士が常駐し、子どもさんだけでも安心して遊べると好評です。ただ、診察が終わっても「帰りたくない」と駄々をこねる子もいて、お母さんを困らせています。周囲から隔絶されたベッドタウンですので、全世代を対象とする「女性のための家庭医」として女性の一生を支えることを目指しています。

OC世代
 開業したのは低用量経口避妊薬・ピル(OC)が承認された前年の1998年です。まさに「OC世代」であります。私が注目したのはその副効用で、特に月経痛の軽減は女性にとって福音であろうと考えました。しかしながら、「月経が辛くてたまらない」と言って婦人科を受診される方はさほど多くありません。何とか月経困難症を掘り起こせないだろうか? パイロットスタディをしてみました。広く一般に使われている問診票と、独自に作成した月経困難症の症状を列記した問診票を同時に記入してもらいました。一般的な問診票では月経痛を「なし」とした人の約3分の1が、月経困難症の症状の多くにチェックを付けていました。その方にOCについて熱く語ったことは言うまでもありません。

 月経困難症の掘り起こしと同時に必要だったのは、親世代や教育関係者さらには薬剤師への啓発でした。熊野町には小学校が4校、中学校が2校、高校が1校あります。まずは中学2年生と高校生の学年ごとに性教育講演会を開きました。地区医師会で開催される学校医と養護教諭との連絡協議会では、性教育の重要性とOCの副効用について講演を行いました。広島県薬剤師会をはじめ、熊野町近隣の地区薬剤師会ではOCの安全性について講演しました。2年後には女子中学生が「生理痛が辛いと言って保健室に行ったら、OCをもらいに行きなさいと言われた」と受診してきました。また、「ホルモン剤はがんになる危険な薬だからすぐに止めなさい」と指導していた薬剤師が、OCの副効用を語るようになりました。

性教育指導セミナー
 2015年7月25日?~26日?には日本産婦人科医会性教育指導セミナーが広島県で開催されます。都道府県別20歳未満の人工妊娠中絶実施率をみると、広島県は年々状況が悪化し、2012年度にはワースト6位になってしまいました。熊野町の中学校では数年前より性教育講演がなくなり、高校1年生のみ毎年細々と継続しているのが現状です。指導セミナー開催を契機に、20歳未満の人工妊娠中絶実施率を限りなくゼロに近づけなければならないという強い使命感を持って、筆の都・熊野町でOCの普及に取り組んでいます。

【略歴】
1958年広島県生まれ。1972年広島大学医学部卒業、国立大田病院(現・大田市民病院)、呉共済病院を経て、1998年4月より現職。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、熊野町立熊野東中学校校医、安芸地区医師会常任理事、広島県産婦人科医会副会長。

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