
ピル(経口避妊薬)Q&A
- Q30 毎日新聞社が一九九六年に実施した「全国家族計画世論調査」によれば、低用量ピルが認可された後でも、ピルを使いたいという人は十三・一%に過ぎません。日本人が他の先進諸国に比べてピルの使用に消極的なのはどうしてでしょうか。
- 日本人の場合、ピルに関する正確な情報を得ることができず、結果として消極的にならざるを得なかったのだと思われます。以下、予測される問題点を挙げてみました。
- 従来からわが国の避妊指導者の考えが偏向していて、コンドームやペッサリーなど伝統的、古典的な避妊法の普及に力を入れてきたこと。
- 中高用量ホルモン剤を月経困難症などの治療薬として認めながら、避妊目的での使用は、「医師の責任で」という国の無責任な姿勢。そのため、避妊薬・ピルに関する情報提供は一部雑誌などに限られ、「国が認可していないのだから」と、ピルを販売し収益を上げている製薬会社さえも、長期投与に伴う副作用情報などの提供を怠ってきたこと。
- コンドームなどが自動販売機で容易に購入できるのに比べ、ピルを使用するためには、わざわざ産婦人科で受診しなければならず、避妊薬としてのピルが手に入れにくいこと。
- ピルの認可が棚上げになっている間に、わが国では様々な薬害が問題となり、これが日本人の間に「ピルは恐ろしい」、しかも「健康な女性が飲むのだからなおさら心配だ」という固定観念を強く植え付けてしまったこと。
- 人工妊娠中絶が法的に認められており、手術が安全にしかも簡単に行うことができ、更に世間が中絶に対して寛容であること。
- 女性が性に対して自立しておらず、男性に依存する傾向が強い。したがって避妊を男性に任せにすることに疑問を抱く女性が少ないこと。
- 自然に対する憧れが強く、「薬を飲んで避妊するのは不自然だ」と主張する人が少なくないこと。(しかし、「産めよ殖えよ」論からいえば、避妊という行為そのものが本来不自然な行為であることに気づいていない)
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