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JFPA 社団法人 日本家族計画協会

思春期インフォメーション

ピル(経口避妊薬)Q&A

Q26 ピルと環境ホルモンとは別物ですよね。
 もちろんです。ホルモン攪乱物質が話題になっていることは承知していますし、「豊かさ」の代償として起こっている環境破壊に無関心でいられないのは当然です。しかし、だからといって、味噌も糞も一緒にしてしまうのは如何なものでしょうか。 まず、ホルモン攪乱物質とホルモンとは違います。ダイオキシンにエストロゲン様作用があるからといって、ダイオキシンがエストロゲンであるわけではないのです。 経口避妊薬・ピルについても、卵胞ホルモン(エストロゲン)としてはエチニル・エストラジオール(EE)、黄体ホルモンとしては、ノルエチステロン、レボノルゲストレル、デソゲストレルなどが使用されています。エストロゲンという意味では、EEがその代表として、世界のピルにも、日本で認可を待つ低用量ピルにも含まれています。これは、化学合成されたとはいえ、女性のカラダの中に分泌されているエストロゲンと構造上は極めて類似しているものです。したがって、ピル服用女性の尿をクロマトグラフィーという方法で分析してみますと、確かにEEも含まれますが、その多くは、一般女性の尿中に排泄されるエストロゲンと大差がありません。「環境面からピル検討を」の意見は、すなわち、「女性よ排尿を控えろ」「女性よ妊娠するな」の議論へと発展しかねない愚かな問題提起となってしまうのです。 正常妊娠例における尿中エストロゲン排泄量は、出産直前ともなると一日四十ミリグラム程度となっています。妊娠していない女性でも七十マイクログラム程度。その一方、低用量ピルの場合、含有するエストロゲンは一錠中三十マイクログラムに過ぎません。これが全部、尿中に出てくるわけではありませんし、ピル服用中は、卵巣から分泌されている女性ホルモンが抑えられますので、妊娠していない一般女性よりも、尿中に出てくるホルモン量は少ないと考えられます。
 以上の結果を見ますと、ピルを服用することによる、次世代への影響、排尿による水汚染からの生態系への重大な影響の可能性を叫ぶことは、「女性の存在」の否定、「妊娠」の否定につながる考え方です。「妊婦よ、排尿をするな!」ではあまりにも乱暴です。ホルモン攪乱物質が思わぬ所に波及したものです。
ここで、きちんと整理しておきましょう。
  1. ダイオキシンは、エストロゲン産生物質ではない。
  2. ダイオキシンにエストロゲン様作用があることと、エストロゲンの存在をごちゃごちゃにしてはいけない。
  3. 有史以来、男性は主としてアンドロゲンを、女性はエストロゲンやプロゲステロンを分泌、排泄してきたわけで、これは人間に限らず、動物も同様である。長い地球の歴史の中で、人間を含む動物から排泄された性ホルモンが、地球環境に悪影響を及ぼしてきたという証拠はありません。それを問題にすることは、生物の否定につながるゆゆしき問題です。
  4. 外因性ホルモンと発ガンリスクについては、一九四五年から六0年まで米国において、切迫流産の治療に合成エストロゲンであるDES(ジエチルスチルベステロール)がよく使用され、胎内でDESに暴露した男性に精巣癌が多いという疫学研究が報告されています。ただし、リスクの上昇は僅かであって、結論を出す十分な結果とはいえません。
  5. 外因性ホルモンの影響としては、ピルと発癌リスクの関係が最もよく研究されています。しかし、子宮内膜癌や卵巣癌に対してはピルの使用は発癌リスクをむしろ低くするという報告がありますし、乳癌については上昇、低下の両方の論文があり、結論を出すには至っていません。

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