Q23
ピルの使用によって、コンドームの使用が減り、エイズや性感染症が拡大するのではないかとの危惧がありますが、世界的にみてこういう事実はあるのでしょうか
A
 一九八〇年代からのエイズの拡大が世界を震撼させていますが、どの国、どの地域をみても、エイズが拡大したからピルの認可を取り止めたという国はありません。ピルとSTDの関連性について言及した論文を目にすることは少なくない。例えば、アメリカにおける一九六〇年代後半からの淋病患者の急増は、ピルの認可が一因であるとする意見があって、わが国で物議を醸していますが、イギリス、スウェーデン、フィンランドでは、アメリカに見られたような傾向は認められません。
そもそもピルは避妊薬であって、決してエイズ予防薬ではないのです。したがって、エイズを含む性感染症を予防するには、リスクの高いパ−トナ−との関係を控えるか、ピルを避妊目的で用いたとしてもコンド−ムを必ず併用することが大切です。このような用意周到さがなければ、性感染症を予防することはできません。
世界保健機関(WHO)は一九八七年に、「現在の情報に照らして、避妊薬使用に関する既存の勧告を変更してはならない」と言明し、国際家族計画連盟も一九九〇年、「経口避妊薬がエイズを引き起こすという噂は事実ではない。どんな女子も、エイズを恐れるがために、経口避妊薬の使用を止めてはいけない」と指導しています。これらの見解が出された背景には、コンドームがエイズを含むSTD予防の唯一の用具であるだけでなく、避妊具としても活用できることから、一石二鳥を狙ってコンドームだけを使用するようになった国々で、望まない妊娠に苦悩する女性が急増したという現実があるからです。

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