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一九九五年の優生保護統計によれば、人工妊娠中絶の数は三十四万件、年々減少していると報告されています。一方、既婚女性の七七.二%がコンドームを避妊法として採用しながら、二六.0%が中絶経験をもち、このうちの四割は複数回にもおよんでいるという結果(第二三回全国家族計画世論調査、毎日新聞社、一九九六年)をどう考えたらいいのでしょうか。しかも、避妊実行者の割合は他の先進国と比較しても遜色がないにもかかわらずです。リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)という言葉が話題になっていますが、この避妊一つを例にとっても日本の現状はお粗末きわまりないことがわかります。世界の九千万人を超える女性が使っているピルの認可が、先進国の中で最も遅れてしまった国、日本。子宮内避妊具(以下「IUD」)についても、今や銅やホルモン剤を付加するのが主流だというのに認可の方向は定まっていません。妊娠するか、しないかを決めること、妊娠しないならば避妊を行うこと、安全で確実な避妊法を選択する権利が私たちには与えられているはずなのに、国の介入によって使用に制限が加えられたままになっています。
思い起こせば、日本は避妊法の開発では先進的な役割を果たしてきました。カトリック教国などで用いられている自然な受胎調節法は「オギノ式」という周期的禁欲法が基礎にあります。世界中どこへ行っても、日本人「オギノ」を知らない人はいません。IUDでは「太田リング」が有名です。実はピルについても、世界で始めて紹介された国が日本。一九五五年、東京で開催された第五回国際家族計画会議の席上でした。妊娠中は重ねて妊娠することはないことを応用し、妊娠中に大量に分泌されるホルモンを使うことで避妊が可能になるとの研究報告がなされ、ピルが一躍脚光を浴びることになりました。しかし、悲しいことに今では世界で最も避妊法の選択肢が限られている国。このままでいいのだろうかと頭を悩ませるのは私だけでしょうか。 |
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