いまどきの思春期〈13〉 青森労災病院産婦人科 片桐清一
青森労災病院産婦人科では、女子中学生・高校生の人工妊娠中絶例を毎年15〜20件、分娩例も4〜5件、お世話させていただいております。今回は、病棟で女子高校生の人工妊娠中絶例を担当した助産師の苦言を綴ります。
避妊指導に無関心
高校2年。妊娠16週・中期中絶。相手の男性は2名。A高校2年とB高校2年。妊娠したと思われる日にその両者と性交渉。場所はカラオケボックス。
話を聞くと、中絶を受けることに全く罪悪感を感じていない。ラミナリアで頚管拡張操作をする際も、子宮収縮剤のプレグランディン膣錠を入れても、痛いはずなのに、表情一つ変えない。助産師の問いかけにもほとんど無反応。人工死産後に避妊指導・再妊娠防止教育を行いました。
普通の女子高校生は、真剣に話を聞いてくれるし、積極的にピルに関する質問をしてきます。しかし、この16歳の少女は全く違った。
「また妊娠しても構わない」、「また中絶すればよい」、「子どもは嫌い」、「将来結婚しても、子どもはいらない」等、次々と驚きのつぶやきの連続。一瞬、指導する意欲を失った。とりあえず、ピルの説明をした。無性に腹が立った。ヒトのいのちをどう考えているのだろうか?2年続けて人工妊娠中絶に来た女子高生
普通の人工中絶の普通の女子高校生。病歴を取って人工中絶をして、その後、避妊指導をして退院させた。しかし、その1年後、再び中絶目的で入院してきた。
担当助産師を見て、「昨年の担当と同じ人」とすぐ気が付いたらしい。都合の悪そうな顔をしていたが、2年目も同様に再妊娠防止教育・避妊指導を行った。
話を聞いていると、1回目の中絶のあと、しばらくはピルを服用。しかし、途中からピル服用を中止。避妊無しのエッチで、妊娠するのは当然。再妊娠防止教育が全然活かされていないことを知り、ガッカリしました。ヘラヘラした父親?
人工中絶で入院した女子高校生。入院したその日の夕方、その女子高校生の父親と称する中年男性が面会に来院。その中年男性が持っていたのは大きなケーキの箱。その後、病室(個室)からは、明るい、大きな笑い声が聞こえて来る。
病室内でどんな会話が交わされたのかは、知るよしもないが、何かヘラヘラした父親の姿が脳裏に浮かんで来て、無性に腹が立った。ちょっと待って!あの中年男性、お腹の子どもの父親なのだろうか?まさか?自信満々で異和感を覚える母親
15歳、高校1年。初診時、妊娠7週。人工妊娠中絶。母親の話によると、トイレの娘用のナプキンの数量をチェックしていたとか。その娘のナプキンが減ってないことに気がつき、本人に問いただしました。「生理はキチンと来ているか?」、「付き合っているヒトはいないか?」と。
その結果、23歳の男性と性交渉があること、2カ月間無月経の事実を聞きだし、産婦人科受診となりました。結果的には、妊娠8週で人工中絶施行となりました。
しかし、ナプキンの残量を厳重にチェックすることも大切ですが、「高校時代はセックスをしない」、「予定外の希望しない妊娠は避けるように、きちんと避妊をしなさい」というような、常識的な指導はできなかったのでしょうか?
妊娠した娘を前に、「トイレのナプキン残量をきちんとチェックしています」という態度が、自信満々で、誇らしげに見え、違和感を感じた。モト彼、そしてイマ彼
女子高校生の中絶例は、個室入院扱いです。個室入院の16歳・高校2年生。ラミナリア挿入後の容態観察のために、その個室にノックをしてから入りました。何と、妊娠した女子高校生は学生服姿の男子高校生とキッスの真ッ最中。
「ちょっとアンタたち、ここは病室よ。この人誰?」と聞いたら、「今彼です」との返事。「さっきの話では、彼氏とは別れたはずでしょう?」と再度質問しました。その回答は、「お腹の子供は元彼(モトカレ)の子、この人は新しい彼です」と。
びっくりして、あきれて、返す言葉を失いました。
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